請求業務を自動化するという「請求管理ロボ」を提供するROBOT PAYMENT(渋谷区)は、イベント「日本の経理をもっと自由にサミット2021 DXで変わる日本の紙と働き方を考える1日」を6月22日に開催した。
コロナ禍で業務のデジタル化は部門を問わない喫緊の課題であり、間接部門に含まれる経理部門も例外ではない。経理部門にとっては、2023年10月から導入される、適格請求書保存方式(インボイス制度)が大きな変化になるものとして注目されており、紙の適格請求書を電子化した「電子インボイス」が注目されている。
デジタル請求書の実現には「構造の変化」が必要
従来は税率ごとに区分して合計した金額と、軽減税率適用済み項目の記載がある領収書を保有していれば、仕入税額控除を適用できたが、インボイス制度導入以降は、適格請求書発行事業者が発行した請求書のみが仕入税額控除の計算対象となる。
免税事業者などが発行する請求書では、仕入税額控除が受けられなくなる。請求書発行側も課税売上高が1000万円以下でも適格請求書発行事業者の登録が事実上必要となり、双方に発する負担は小さくない。そのため近年は請求書業務のデジタル化に一定の注目が集まっていた。
5月中旬にROBOT PAYMENTが主体となって、経理担当者1000人を対象にした調査によれば、コロナ禍における自身の働き方変化は83.4%が「変化しない」と回答。だが、デジタル請求書の普及については85.2%は「変化する」と考えている。
※クリックすると拡大画像が見られます
加えて取引先に請求書業務のデジタル化を希望する割合は88.1%(n=882、調査結果は日本の経理をもっと自由にプロジェクトより)となっている。ROBOT PAYMENT 執行役員 藤田豪人氏(日本の経理をもっと自由にプロジェクト責任者)によれば、経理業務に携わる約9割が「希望を持っているが、組織に提言できていないことが明確になった」
このような背景から、賛同企業50社とともに紙の領収書をなくして経理部門の業務負担を軽減する「日本の経理をもっと自由にプロジェクト」の発足に至っている。
同プロジェクトは日本を「ペーパーレス後進国」と定義付け、現在34.2%(約125万社、2018年当時)のデジタル請求書サービス導入率を約50%(約183万社)まで引き上げるため、活動を重ねてきたが、2018年とコロナ禍にある2021年を比較すると3%増加したにすぎない。