Microsoftは米国時間6月24日、「Windows 11」の発表の中で、かねてからリリースが近いとうわさされていた、「Windows」で「Android」アプリを実行可能にする機能について発表した。その詳細はすべて明確になっているわけではないが、同日の終わりに開発者向けに実施されたオンライン説明会でいくつかの点が明らかになった。

提供:TechRepublic
Microsoftの「Windows Developer Platform」担当コーポレートバイスプレジデントKevin Gallo氏によると、Windows 11で「Windows Subsystem for Android」を提供する計画だという。Windowsに現在搭載されている「Windows Subsystem for Linux」(WSL)と類似の働きを有するサブシステムとなるようだ。Windows Subsystem for AndroidはWSLと同様に、GUIアプリをサポートする。
Windows Subsystem for Androidによって、AndroidとWindowsそれぞれのアプリモデルの間を仲介するネイティブアプリのプロキシーが提供されるとともに、「Androidオープンソースプロジェクト」(AOSP)との互換性を有した仮想マシン(VM)が用意される。AOSPは「Google Play Services」のサポートを必要としないカスタム版のAndroidを実現するというプロジェクトだ。そして、同日のWindows 11発表イベントでAmazonのストアが言及された理由がここにある。Amazonの「FireOS」はAOSPをベースにしている。
Amazonも本件に関するプレスリリースを公開している。AmazonとMicrosoftがWindows 11への「Amazon Appstore」の搭載に向けた計画を発表したと書かれている。Microsoftが同日説明したように、Amazon AppstoreのすべてのAndroidアプリがすぐにWindows 11で実行できるようになるわけではないが、Windowsのユーザーは2021年中に「Amazon Appstoreセレクションの第1弾」を利用できるようになるという。
Microsoftの最高製品責任者(CPO)Panos Panay氏は基調講演で、Windows 11でAndroidアプリがどのように動作するかを説明し、その中でAmazonだけでなくIntelについても言及した。IntelとMicrosoftは、x86アーキテクチャー搭載デバイス上で(他のアーキテクチャーをベースにした)アプリの実行を可能にするためのランタイムポストコンパイラー「Intel Bridge Technology」の開発で協力している。
Androidアプリが新しいMicrosoftのアプリストアにいつ登場するのか、筆者にはまだはっきりと分かっていない。Microsoftは新しい「Microsoft Store」の初期プレビューを今後のWindows Insiderビルドで試せるようにするとしている。Windows 11は2021年のホリデーシーズンに合わせてロールアウトされ、新たなハードウェア要件を満たしたデバイスを持っている既存のWindows 10ユーザーや、新規ユーザー向けには2022年の早い時期に展開される見込みだ。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。