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「IBM Cloud Code Engine」はフルマネージド型で開発に注力できるランタイムサービス

渡邉利和

2021-06-30 10:36

 日本IBMは6月29日、IBM Cloudで提供するフルマネージド型のランタイムサービス「IBM Cloud Code Engine」について、報道機関向けのオンライン説明会を開催した。米国では2021年3月31日からサービスが提供されており、日本では4月1日から東京リージョンで、6月9日から大阪リージョンで提供が開始されている。

日本IBM テクノロジー事業本部 Cloud Platform Technical Sales 佐藤光太氏
日本IBM テクノロジー事業本部 Cloud Platform Technical Sales 佐藤光太氏

 サービスの概要を説明した同社 テクノロジー事業本部 Cloud Platform Technical Salesの佐藤光太氏は、顧客が抱える課題として「クラウドネイティブなアプリケーションを開発するに当たって、新しいテクノロジーを導入していくところでスキルの習得や環境の構築/運用に時間が掛かってしまい、結果的に大切なアプリケーション開発に費やす時間が減ってしまうという話を聞くことが多い」と指摘。「そういった人にこそIBM Cloud Code Engineを使ってほしい。開発者がアプリを動かしたいと思ったときにすぐにデプロイできるサービスとして提供している」

 昨今、クラウドネイティブなアプリケーションでは、コンテナー/Kubernetesの利用が一般的になっている。その点について、同氏はKubernetesの活用について「ハードルがかなり高い」ことを指摘した上で、「開発者はアプリを動かしたいのであって、インフラを構築/運用したいわけではない」「開発者はアプリ開発に注力すべき」ということから、IBM Cloud Code Enginを「複雑なスキルやインフラの管理/運用を必要としない、アプリを瞬時にデプロイできる環境」だと位置付けた。

 IBM Cloud Code Engineはフルマネージド型のランタイムであり、アプリケーションコード、バッチジョブ、ファンクション、コンテナーをサーバーレスプラットフォームで実行するサービスになる。1つのサービスでHTTPベースのアプリに加えてバッチジョブやIBM Cloudのサービスと連携するイベントドリブンなファンクションの実行を全てサポートすることに加え、あらかじめコンテナー化されたアプリケーションをKubernetes上にデプロイするだけでなく、アプリケーションのソースコードからコンテナーイメージを作成し、それをデプロイするまでの作業を自動的に行うこともできる。

IBM Cloud Code Engineで実行可能なワークロードの概要
IBM Cloud Code Engineで実行可能なワークロードの概要
Kubernetes上でコンテナーアプリケーションを実行する際の一般的な流れ。IBM Cloud Code Engineを利用すると、一番左のアプリケーションのコードを書く部分だけを開発者が行えば、そのコードをコンテナー化する作業(中央のContainerの部分)やKubernetesの環境構築やその上にアプリケーションコンテナーをデプロイする作業(右のKubernetesの部分)はIBM Cloud Code Engineに任せることができ、アプリケーション開発に専念できるようになる
Kubernetes上でコンテナーアプリケーションを実行する際の一般的な流れ。IBM Cloud Code Engineを利用すると、一番左のアプリケーションのコードを書く部分だけを開発者が行えば、そのコードをコンテナー化する作業(中央のContainerの部分)やKubernetesの環境構築やその上にアプリケーションコンテナーをデプロイする作業(右のKubernetesの部分)はIBM Cloud Code Engineに任せることができ、アプリケーション開発に専念できるようになる

 運用上の特徴としては「ゼロスケール」が実現されており、アプリの利用がないときにはリソース使用量をゼロにできるという。一般的なスケーリング処理では最小限サーバー1台を稼働させておく必要があることが多いが、IBM Cloud Code Engineではスケールの規模を最小0台から最大250台までの間で任意に設定することが可能になっている。

ゼロスケールの概要。最小構成では完全にゼロに出来るため、課金が発生しなくなる
ゼロスケールの概要。最小構成では完全にゼロに出来るため、課金が発生しなくなる

 アーキテクチャー面では、マルチゾーンリージョンのクラウド環境上に構築されたマルチテナントのKubernetesプラットフォーム上でKnative、Istio、Paketo Buildpacks、kaniko、Tektonといった標準的なオープンソースプロジェクトの成果を組み合わせている点がポイントとなる。

アプリケーションのソースコードからコンテナーイメージを作成する部分。オープンソースのPaketo BuildpacksやKanikoが活用されている
アプリケーションのソースコードからコンテナーイメージを作成する部分。オープンソースのPaketo BuildpacksやKanikoが活用されている

 IBM Cloud Code EngineでのファンクションのサポートはKnativeの機能を利用している一方、先行して実装されている「IBM Cloud Functions」はApache OpenWhiskに基づく多言語対応のFunctions-as-a-Service(FaaS)プログラミングプラットフォームとなっており、一見すると混乱があるようにも見える状況になっているようだ。

 佐藤氏はこうした状況について、IBM Cloud Code Engine側の機能拡張が今後計画されており、より多くのサービスとの連携が可能になる予定だとしつつ、同サービスのメリットはアプリやバッチジョブ、ファンクションなどを全て単一のインターフェースで扱える利便性にあることから、これから新しくアプリケーションをウェブ上で実行したいユーザーによる活用を推奨するとした。

IBM Cloud Code Engineの利用料金の仕組み。無料枠も設定されているので、ごく小規模なアプリを動かしてみる程度なら無料~月額数千円程度で収まるという
IBM Cloud Code Engineの利用料金の仕組み。無料枠も設定されているので、ごく小規模なアプリを動かしてみる程度なら無料~月額数千円程度で収まるという

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