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「新たな領域の開拓で日本での存在感を強めていきたい」--ペガジャパンの福島新社長

藤本和彦 (編集部)

2021-07-01 10:09

 7月1日付でペガジャパンの代表取締役社長に就任した福島徹氏は、従来のパートナーセールスに加えて、ハイタッチセールスで新たな領域を積極的に開拓し「日本での存在感を強めてきたい」と話す。

 ペガジャパンは、BPM(ビジネスプロセスマネジメント)ツールベンダーである米Pegasystemsの日本法人。2011年に設立し、従業員数は70人超。日本市場における、Pegasystemsのソフトウェアライセンスの販売、各種付随サービスの提供を行っている。

 福島氏は、デルや日本マイクロソフトで要職を歴任した後、直近ではスプランクサービスジャパンのエリア・バイス・プレジデントを務めていた。「Pegasystemsは創業(1983年)から40年近くたった今でも創業者のAlan Treflerが最高経営責任者(CEO)を務め、創業当時と変わらないビジョンをもって事業をかじ取りしている。そこに大きな魅力を感じた」

 そのビジョンとは、「ビジネスを中心にしたソフトウェアを作る」ことにあるという。「システムを中心にするのではなく、ビジネスの成果を導くためにはどういう仕組みが必要なのかを考え、ソフトウェアを開発している。BPM(ビジネスプロセスマネジメント)やワークフロー、CRM(顧客関係管理)、AI(人工知能)、アジャイル、クラウドなど、時代によってテクノロジーはさまざまだが、根幹となる考え方は変わらない」(福島氏)

 昨今注目が集まっているローコード/ノーコード開発についても、創業当初からコンセプトを取り入れており、「ビジネスを中心」とした発想からプログラミングが分からないユーザーでも主体的にシステムを活用できるようにしている。

7月1日付でペガジャパンの代表取締役社長に就任した福島徹氏
7月1日付でペガジャパンの代表取締役社長に就任した福島徹氏

 Pegasystemsの年間売上高は右肩上がりで成長し、直近は10億ドル(約1000億円)を超えた。数十年来の顧客がいる一方で、新しい顧客も増えている。実際、世界をリードする多くの企業で導入されており、ヘルスケア業界では上位10社の全社、保険業界では同10社のうち7社、金融業界では同25行のうち18行、電気通信業界では同10社のうち9社が同社製品を利用しているという。

 Pegasystemsは金融機関の顧客が多く、福島氏によると、日本も同じ傾向にある。金融のデジタル化が進んでおり、オンラインバンキングや顧客接点を強化するためのシステム導入が増えている。「Pegasystemsは金融のイメージが強く、今後もコアな顧客である。官公庁や電気通信、公益法人、製造業などからも引き合いが増えている」

 また、コロナ禍でオンラインの手続きが浸透し、そのための仕組みを効率良く構築する必要になる。「単にデジタルに置き換えただけでなく、どうやったら顧客の満足につながるかも考えなければならない」と福島氏は話す。

 グローバルでは、パートナーとの協業に力を入れている。5月に新たなパートナープログラム「Pega Partner program」を発表し、7月から一部展開し、2022年1月には全面施行する。「パートナーからより早く、より良いソリューションを提供できるようにし、顧客がパートナーの得意分野をより明確に理解しやすくする」という狙いがある。パートナーとの緊密なコラボテーションにより、顧客のデジタル変革(DX)も支援する。

 その一方で、福島氏は「新しい領域の顧客が抱えるビジネスやシステムの課題を解決していけるようにハイタッチセールスもきっちりとやっていくことで、日本での存在感を強めてきたい」とする。

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