第一生命保険は、従業員の働き方のさらなる変革を実現するための基盤として、ServiceNowのクラウド型プラットフォーム「Now Platform」を採用した。
同社はこれまで、オンプレミス基盤のグループウェア上でメインフレーム上の顧客や契約に関連するデータやプロセスのデータベースを構築し、それらを管理・閲覧・処理するためのEUC(End User Computing:基幹業務系システム以外のシステム群)を搭載して活用していた。
しかし、その数は現在では約4000ものシステム、5万近いデータベースが稼動するに至り、しかもそれぞれのシステムやデータベースが十分連携されておらず、横断的なプロセスの管理やデータの活用が限定的となっていた。さらには単一のウィンドウ、あるいはポータルで情報にアクセスできる仕組みではなく、情報ごとやシステムごとに別々のウィンドウを開く必要があるなど、情報への導線が統制されていなかった。
Now Platform上に開発した第一生命のグループウェアのポータル画面イメージ
Now Platformについて同社は、既存のシステム群やデータベース群を一元化し、全社で共有されたデータをもとに、複数の部署間やチーム間にまたがる業務プロセスをエンドツーエンドで処理できることを評価している。
今回の導入で、グループウェア上で構築したシステムやデータベースのみならず、基幹系システムをはじめとするあらゆるシステムとの連携が可能となった。またグループウェアのトップ画面上にある検索窓で探したい情報のタイトルを入力するだけで、即時に該当情報のリストを一覧化することができるようになった。さらにあらゆるモバイルデバイスにも対応していることから、いつでもどこからでも業務に必要な情報にアクセスできるようになった。
グループウェア刷新に向けた導入プロジェクトは2020年度にスタートし、現在全てのシステムへの入り口となるグループウェアのポータルサイトは完成している。
今後は統合ポータルからあらゆる情報を呼び出せるようにシステム群、データベース群の連携を進め、従来のグループウェア上で開発した業務アプリケーションをNow Platform上で稼動させる作業や、ノーコード/ローコード開発で新たなアプリケーション開発にも取り組んでいく。