NEC、独自のセンシング技術で光ファイバーの損傷検知--管理業務を効率化

NO BUDGET

2021-07-05 07:00

 NECは、世界中に張り巡らされた光ファイバーをセンサーとして活用するソリューション「NEC Intelligent Optical Fiber Sensing Solution」を発売した。光ファイバーから検知した振動をAI(人工知能)で分析することで、ファイバー損傷などの異常検知や損傷予防が可能となる。同ソリューションの標準価格(税別)は、センシング装置一式、年間ライセンス費、クラウド構築費を含めて3000万円。2025年までに顧客30社以上、売り上げ100億円以上を目標としている。

 同ソリューションでは、ファイバーから検知した振動を分析することで、ファイバーを切断する危険のある建設機械の振動源などを自動で検知できる。ファイバーの正確な位置情報を地図上にマッピングできるため、ファイバーに損傷などの異常が起きた際、迅速に損傷箇所を特定することも可能だという。

ソリューションイメージ(出典:NEC)
ソリューションイメージ(出典:NEC)

 同ソリューションでは、既設の通信用光ファイバーからのセンシングが可能なNECの技術を活用している。光ファイバーの片端に取り付けるセンシング装置に加えて、ファイバーに異常をきたす振動、外部環境を検知する機能、ファイバーの緯度経度といった位置情報を基に地図上に正確に表示するマッピング機能などを有したソフトウェアで構成されている。

 同社はこれまで、光ファイバーセンシング技術を活用し、電柱のひび割れの検知や米Verizon Communications(ベライゾン)と道路の交通状況把握といった交通モニタリングの共同実証を実施し、有効性を確認している。今回のソリューションにおいても、ベライゾンの敷地で実証を行い、有効性を確認しているという。

 近年、5G(第5世代移動通信システム)の高速大容量の通信が普及する中で光ファイバーの重要度が増し、ファイバーの敷設が増えている。それに伴い、ファイバーの損傷などによる通信障害が与える影響度も増加している。また、通信事業者や光ファイバー所有者は、ファイバー損傷時の迅速な損傷箇所の把握が困難で、修繕までに時間を要している。加えて、ファイバーを管理するオペレーターや保守員の担い手不足が課題となっており、ファイバーの保全/管理業務の効率化を支援する仕組みが求められている。

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