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IBMのホワイトハースト氏、プレジデントを退任へ--レッドハットの元CEO

Steven J. Vaughan-Nichols (ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部

2021-07-05 10:52

 筆者は何かを見落としていたようだ。この出来事はまったく予想できなかった。筆者はRed Hatのことをよく知っており、Jim Whitehurst氏のことも個人的に知っている。同氏はIBMのプレジデントとしての仕事に満足しているようだった。また、筆者はIBMについても相応の知識を有している。それでも、2020年1月末にIBMのプレジデントに任命されたWhitehurst氏が同社を去ろうとしていることをまったく察知できなかった。

 Whitehurst氏はIBMのプレジデントを退任するが、シニアアドバイザーとして同社に残る。IBMの会長兼最高経営責任者(CEO)Arvind Krishna氏は米国時間7月2日、プレスリリースの中で、「Jim(Whitehurst氏)はIBMとRed Hatの統合で要となる役割を果たしてきた。Red Hatを買収すると発表してから3年近く、JimはIBMの戦略を明確に説明する上で、また両社の持つ力をうまく合わせて、われわれのテクノロジープラットフォームとイノベーションによって顧客にさらなる価値をもたらすことを確実にする上で、極めて重要な役割を担ってきた。JimはIBMのプレジデントを退任する決断を下したが、IBMが引き続き事業を発展させる中で、私とその他のエグゼクティブリーダーシップチームのメンバーのシニアアドバイザーとして残ることを喜ばしく思う」と述べている

 Whitehurst氏については、IBMとRed Hatがハイブリッドクラウドという同じフィールドで連携するようになった立役者という言葉では語り尽くせない。同氏の存在は不可欠だった。IBMが2018年10月に340億ドル(約3兆8000億円)でRed Hatを買収すると発表した後、IBM流のビジネスによってRed Hatのアイデンティティーが失われるのではないかというRed Hatの従業員と顧客の不安を払拭したのも同氏だった。

 買収の完了が近づく中、当時CEOを務めていたGinni Rometty氏はWhitehurst氏との対談で、「私は彼らを破滅させるために買収するのではない。この買収はわれわれの顧客にとってウィンウィンとなる。イノベーションを加速させる手段だ」と述べたという。要するに「Jimと私はRed Hatが独立部門として維持されるべきだという点で合意した」ということだ。

 そしてこれは空約束ではなかった。Red HatはIBMの独立部門として存続している。

 IBMにはRed Hatに自由を与えるだけの理由があった。Red HatはWhitehurst氏の指揮の下、オープンソース企業として世界で初めて10億ドル規模の売り上げを達成した。その後数年で、初の20億ドル規模のオープンソース企業となった。

 2020会計年度には、Whitehurst氏の指揮下で、IBMのクラウドの総売上高が20%増加し、251億ドルとなった。Red Hatのハイブリッドクラウドプログラムがけん引した。Red Hatの売上高は18%増だった。Whitehurst氏が素晴らしい仕事をしたことは明らかだ。同氏は、Red HatのISVパートナーや投資家に広く認められている。同氏の退任が発表されたことを受け、IBMの株価は4%以上下落した。

 しかし、これは筆者の純粋な推測だが、Whitehurst氏はその活躍にもかかわらず、IBMのCEOへの道を進んでいなかったようだ。IBMとRed Hatのウォッチャーらは長らく、同氏が最終的にCEOの座に登りつめ、Red Hatに勝利をもたらした同社の文化をIBMの他部門に浸透させていくと考えていた。しかし、そうはならなかった。2020年4月、IBMに1990年から在籍するKrishna氏がRometty氏の後任として同社のCEOに就任した。

 また、Bridget van Kralingen氏がグローバルマーケット担当シニアバイスプレジデントの職を退任する。同氏は1年間、スペシャルプロジェクト担当シニアバイスプレジデントの職にとどまり、IBMを離れる。Rob Thomas氏が同氏の後任となる。

 Krishna氏は、「私たちの事業が目指すのは、当社の顧客に価値をもたらすことであり、そうあり続けなければならない。顧客とIBMの双方にとって、私たちのテクノロジープラットフォームとサービスはビジネスを成長させる重要な原動力となる。これらの変更によって、IBMは当社の顧客と私たちのビジネスの反映を促す一層強い体制に向かうと私は確信している」と述べている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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