Hewlett Packard Enterprise(HPE)は米国時間7月1日、データのレプリケーションやデータ保護サービス、DRaaS(ディザスターリカバリー・アズ・ア・サービス)などを提供するZertoを買収することを発表した。HPEは、Zertoを3億7400万ドル(400億円)の現金で買収する。「GreenLake」ブランドで提供されるクラウドデータサービスを拡充する。
Zertoは2009年に創業し、イスラエルのヘルツリーヤとボストンに本社がある。大企業や350のマネージドサービスプロバイダーを含む9000以上の顧客を擁する。買収完了後、Zertoの経営チームはHPE Storage事業部門に加わり、HPEのシニアバイスプレジデント(SVP)兼ゼネラルマネージャー(GM)Tom Black氏の直属となる。
Zertoのジャーナルベースの継続的なデータ保護(CDP)テクノロジーは、オンプレミス、ハイブリッド、マルチクラウド環境に対応する。ディザスターリカバリー(DR:災害復旧)、バックアップ、データモビリティが単一のクラウドデータ管理、保護ソフトウェアソリューションに含まれている。このソフトウェアは、攻撃や中断が発生した場合、データをそのわずか数秒前の元の状態に戻すことで、ランサムウェアやサイバー攻撃、そのほかの想定外のダウンタイムから迅速に復旧できるよう支援する。「VMware vSphere」とMicrosoftの「Hyper-V」の環境間で、またAmazon Web Services(AWS)や「Microsoft Azure」にネイティブにデータのレプリケーションや移行を容易に実行できる。
HPEの最高経営責任者(CEO)Antonio Neri氏は、「今日では、エッジ、そしてハイブリッド環境全体でデータが爆発的に増加しており、組織がデータを管理、保護する上で、極めて複雑な状況に直面している」と述べている。「市場をリードするZertoのクラウドデータ管理および保護ソフトウェアは、HPE GreenLakeのクラウドデータサービスを拡張し、顧客がエッジからクラウドまでのデータを保護して、素早くインサイトに対応できるようにする」
買収手続きは、HPEの2021会計年度第4四半期に完了する見通しだ。Zertoはソフトウェアの粗利益で1億3000万ドル(約150億円)以上の売上高ランレートをもたらすと予想されている。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。