フィールドについて
住所録を作成するにあたり、今回は、5つのフィールドを作成しましたが、フィールドの「タイプ」は全て「テキスト」でした。フィールドには、保存するデータの種類に応じて6種類のタイプがあります。
(1)テキスト
「テキスト」フィールドは、文字データを入力するためのフィールドです。最も利用頻度の高いもので、ほとんどはこのタイプを使います。
(2)数字
「数字」フィールドは、数字を入力するためのフィールドです。大小の判断が必要な場合や計算や集計をするためのデータを格納します。電話番号や伝票番号のように数字であっても、演算の対象にならない記号的な扱いをするものは「数字」フィールドではなく「テキスト」フィールドを使います。
(3)日付
「日付」フィールドは、日付を入力するためのフィールドです。日付は、独特の表示形式なので、独立したフィールドタイプとして用意されています。「年月日」という形で保存されます。和暦でも西暦でも表示できます。
(4)時刻
「時刻」フィールドは、時刻を入力するためのフィールドです。時刻も日付と同様、独特の表示形式なので、独立したフィールドタイプとして用意されています。「時分秒」という形で保存されます。表示方法も12時間制、24時間制どちらも表示できます。
(5)タイムスタンプ
「タイムスタンプ」フィールドは、日付と時刻をセットで入力するためのフィールドです。「2021/04/01 15:36:23」のように記録されます。
(6)オブジェクト
「オブジェクト」フィールドは、画像(JPEG、TIFFなど)、動画(MOV、MP4など)、PDF、「Word」やExcelなどのファイルを保存するフィールドです。たとえば、住所録を作成する場合に、顔写真を登録するようにすることができます。そのほか、会社で利用する場合には、顧客管理データと紐付けてWordやExcelファイルなどを管理することができます。
6つのフィールドのほかに、「計算」と「集計」という特殊なフィールドがあります。
1:計算
「計算」フィールドは、フィールドの値を一定の計算式により、変化させることができるフィールドです。「価格」と「数量」のフィールドがある場合に、「価格」×「数量」という計算式の計算フィールドを作成することで、請求額などを算出するというのが典型的な使い方です。
具体的に言うと、「価格」フィールドが「1,000」、「数量」フィールドが「20」の場合、計算式フィールドには、「20,000」と表示されるということです。
2:集計
「集計」フィールドは、合計、平均値、レコードの個数など、複数のレコードに関連する値を計算するフィールドです。「計算」フィールドが1つのレコードの中で計算するのに対し、「集計」フィールドは、複数のレコードについて計算することができるという違いがあります。
まとめ
今回は、実際にFileMakerで住所録を作ってみました。思ったより簡単だったのではないでしょうか。また、フィールドについて学習しました。フィールドは、データを入れておく入れ物のようなものです。
Excelなどでもそうですが、データの形を揃えるというのは、コンピュータで処理を行う上で非常に重要なことです。数字の「1」と文字の「1」では見た目は同じでも意味は全く違います。文字である「1」を演算することはできないため、フィールドを作成する場合には「タイプ」をしっかり考えて設定することが重要です。
次回は、今回作った住所録をベースに、デザインを変更する方法について解説する予定です。
(第8回は7月下旬にて掲載予定)
- 伊達 諒(だて りょう)
- 日本銀行で金融機関の経営分析、厚生労働省で政策の調査業務、内閣府でSEを経て、フリーライターとなる。MBA、CFP、一級FP技能士の資格も有しており、金融、経済、IT、経営、会計、税、行政と幅広い分野での執筆活動をしている。これまで、大手メディアを中心に、500本以上の記事を執筆している。