データベースの基本「フィールド」を学ぶ--FileMakerで住所録を作ってみる - (page 3)

伊達諒

2021-07-14 07:00

フィールドについて

 住所録を作成するにあたり、今回は、5つのフィールドを作成しましたが、フィールドの「タイプ」は全て「テキスト」でした。フィールドには、保存するデータの種類に応じて6種類のタイプがあります。

(1)テキスト

 「テキスト」フィールドは、文字データを入力するためのフィールドです。最も利用頻度の高いもので、ほとんどはこのタイプを使います。

(2)数字

 「数字」フィールドは、数字を入力するためのフィールドです。大小の判断が必要な場合や計算や集計をするためのデータを格納します。電話番号や伝票番号のように数字であっても、演算の対象にならない記号的な扱いをするものは「数字」フィールドではなく「テキスト」フィールドを使います。

(3)日付

 「日付」フィールドは、日付を入力するためのフィールドです。日付は、独特の表示形式なので、独立したフィールドタイプとして用意されています。「年月日」という形で保存されます。和暦でも西暦でも表示できます。

(4)時刻

 「時刻」フィールドは、時刻を入力するためのフィールドです。時刻も日付と同様、独特の表示形式なので、独立したフィールドタイプとして用意されています。「時分秒」という形で保存されます。表示方法も12時間制、24時間制どちらも表示できます。

(5)タイムスタンプ

 「タイムスタンプ」フィールドは、日付と時刻をセットで入力するためのフィールドです。「2021/04/01 15:36:23」のように記録されます。

(6)オブジェクト

 「オブジェクト」フィールドは、画像(JPEG、TIFFなど)、動画(MOV、MP4など)、PDF、「Word」やExcelなどのファイルを保存するフィールドです。たとえば、住所録を作成する場合に、顔写真を登録するようにすることができます。そのほか、会社で利用する場合には、顧客管理データと紐付けてWordやExcelファイルなどを管理することができます。

 6つのフィールドのほかに、「計算」と「集計」という特殊なフィールドがあります。

1:計算

 「計算」フィールドは、フィールドの値を一定の計算式により、変化させることができるフィールドです。「価格」と「数量」のフィールドがある場合に、「価格」×「数量」という計算式の計算フィールドを作成することで、請求額などを算出するというのが典型的な使い方です。

 具体的に言うと、「価格」フィールドが「1,000」、「数量」フィールドが「20」の場合、計算式フィールドには、「20,000」と表示されるということです。

2:集計

 「集計」フィールドは、合計、平均値、レコードの個数など、複数のレコードに関連する値を計算するフィールドです。「計算」フィールドが1つのレコードの中で計算するのに対し、「集計」フィールドは、複数のレコードについて計算することができるという違いがあります。

まとめ

 今回は、実際にFileMakerで住所録を作ってみました。思ったより簡単だったのではないでしょうか。また、フィールドについて学習しました。フィールドは、データを入れておく入れ物のようなものです。

 Excelなどでもそうですが、データの形を揃えるというのは、コンピュータで処理を行う上で非常に重要なことです。数字の「1」と文字の「1」では見た目は同じでも意味は全く違います。文字である「1」を演算することはできないため、フィールドを作成する場合には「タイプ」をしっかり考えて設定することが重要です。

 次回は、今回作った住所録をベースに、デザインを変更する方法について解説する予定です。

(第8回は7月下旬にて掲載予定)

伊達 諒(だて りょう)
日本銀行で金融機関の経営分析、厚生労働省で政策の調査業務、内閣府でSEを経て、フリーライターとなる。MBA、CFP、一級FP技能士の資格も有しており、金融、経済、IT、経営、会計、税、行政と幅広い分野での執筆活動をしている。これまで、大手メディアを中心に、500本以上の記事を執筆している。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]