中国が自国の企業に対し、データセキュリティと国外での上場に対する監視を強化すると警告したと報じられている。数日前には、配車アプリ「滴滴出行」(ディディ)を提供するDiDi Globalが政府によるサイバーセキュリティ調査の対象となったことが明らかにされた。
Bloombergの報道によると、中国国務院は現地時間7月6日、声明の中で、国境を越えるデータの監視に関する条項や、海外での上場に関する規則の改訂に言及している。
当局は声明の中で、国外で上場する中国企業に対するルールが今後改訂されるほか、上場企業にデータ保護の責任を課すことを明らかにしたという。
また、オフショア市場で取引を行う企業への規制監督を強化すると述べたと報じられている。
中国の立法府はすでに取り締まりを始めており、6月にはデジタル情報に対する政府の監督を強化する新しいデータセキュリティ法を可決した。同法は、特定の種類のデータを国内で保管、処理するよう義務づけるなど、インターネットサービスに関する今後のルール作りに向けた幅広い枠組みを定めたものだ。
今週に入り、ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場したばかりのDiDi Globalが、個人情報の収集と利用に関する規制違反を理由に、中国のアプリストアから締め出されている。
DiDi Globalのほか、阿里巴巴(アリババ)や騰訊(テンセント)といった中国の大手テクノロジー企業がここ数カ月、中国政府の調査対象となっている。アリババは182億元(約3000億円)という記録的な額の罰金を科された。また、33種類のモバイルアプリが、サービスの提供に必要とされる以上のユーザーデータを収集しているとして、政府から警告を受けている。
中国で政府による監視が強化される中、Apple、Facebook、Google、Twitterなどの主要ハイテク企業を代表する連盟は、中国当局がプライバシーやドクシング(住所や電話番号などの個人情報をインターネットで暴露すること)に関する法律の改訂を実行に移した場合、香港でサービスの提供を停止する可能性もあると警告している。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。