Microsoftは米国時間7月7日、Windowsに存在する印刷スプーラーの脆弱性(CVE-2021-34527、通称「PrintNightmare」)を修正するセキュリティパッチを定例外で一部のバージョン向けにリリースした。
この脆弱性は、特権が必要なファイル操作が不適切に実行される場合に、リモートで任意のコードが実行されてしまう恐れがある。攻撃者などが悪用した場合、内部ネットワークへの侵入とドメインユーザーの権限を取得した後に、ドメインコントローラー上でプログラムのインストールやデータの表示、変更、削除などの行為、また、完全なユーザー権限を持つ新たなアカウントを作成したりする可能性があるという。既に脆弱性を悪用する概念実証コードが公開され、悪用を狙った攻撃も確認されている。
脆弱性の影響を受けるバージョンは、Windows Server 2008/2008 R2/2012/2012 R2/2016/2019、Windows 7/8.1/8.1 RT/10で、脆弱性を修正する更新プログラムが、まずWindows 10 version 1607、Windows Server 2012/2016向けに公開された。
同社は併せて、脆弱性の影響を緩和するための回避策として、印刷スプーラーサービスの無効化やグループポリシーによる受信リモート印刷の無効化も紹介している。