「Microsoft Team」向けのSalesforceのアプリがより広範に利用可能になった。
Team向けのSalesforceアプリは2020年10月からプレビュー版が提供されている。これを利用すれば、TeamsとSalesforceの共同顧客がTeamsのチャネルやチャットの中で、商談や取引先、ケース、連絡先、リードなどに関するSalesforceのさまざまなレコードをメンションできる。「Slack」向けのSalesforceアプリと同様の機能を実現している。
Microsoftはブログの中で、TeamsのSalesforceアプリが一般提供(GA)されたことを明らかにした。このアプリは、「コラボレーションアプリ」という「新たな分野」に属するものだと説明している。
同社は、「このアプリによって『Salesforce Sales Cloud』や『Salesforce Service Cloud』を使用する営業チームとサービスチームは、Teamsのワークスペース内に取引先のデータやレコードを取り込み、より良いコラボレーションにつなげることができる。営業担当者とサービス担当者は重要なデータを見つけ出すためにウィンドウを切り替える必要がなくなる。単一のワークスペース内ですべてが完結するため、チームは同じ情報を共有しつつ、効率的に作業を進められるようになる」と述べている。
Salesforceは2020年12月、法人向けチャットプラットフォームを手掛けるSlackを277億ドル(約3兆円)という同社史上最高額で買収すると発表した。Salesforceは「Slack Connect」と「Salesforce Customer 360」の融合を目指しており、SlackはCustomer 360のフロントエンドになるという。
SalesforceとMicrosoftはそれぞれ、CRM分野ではSales Cloudと「Microsoft Dynamics」を、アナリティクス分野では「Tableau」と「Microsoft PowerBI」を武器にして競合している。
SalesforceによるSlackの買収を機に、Microsoftとの間で新たな戦いが始まったとの見方があるとはいえ、両社が協力する余地はある。TeamsはSlackのようなチャット機能と、「Zoom」のようなビデオ会議機能の双方を提供している一方で、Slackはどちらかというと法人向けのチャット機能に重点を置いている。
Microsoftは競合サービスとの連携が、コロナ後のハイブリッドな顧客エンゲージメントに有用だと考えているようだ。
同社は、「セールスチームは、彼らのチームや顧客とやり取りしてシームレスな購入体験を提供する中で、取引先について直近の適切なコンテキストを持つ必要がある」としている。また、サービスチームはオープン中のケースに対する調整時間や応答時間を短縮することで、顧客満足度の向上とサポート負荷の軽減が実現できる。また、TeamsとSalesforce製品との切り替えで生じる生産性の障壁も除去できる。
TeamsとSalesforceの共同顧客は、Salesforce for Teamsアプリによって以下のことが可能になる。
- SalesforceのレコードをTeamsのチャネルタブやチャットにピン留めし、容易に見つけ出せるようになる。
- Teams内からSalesforceのレコードを直接編集できるようになる。
- Teamsのチャネルタブやチャットタブ上にピン留めされた「Salesforce Chatter」フィードのレコードに重要な対話モーメントを投稿できるようになる。
- Salesforceのレコード(商談や取引先、ケース、連絡先、リード)をTeamsのチャネルやチャットでメンションし、コラボレーションを促進できるようになる。
- Teamsのチャネルやチャットでメンションされたレコードに関する詳細をプレビューできるようになる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。