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開発者にフォーカスしたCRM実現へ--Nutanixの元CEOが立ち上げたDevRevが約55億円を調達

Stephanie Condon (ZDNet.com) 翻訳校正: 編集部

2021-07-15 12:33

 企業の成長がソフトウェア製品によってけん引される時代にあっては、その製品を構成するコード自体が顧客への訴求力となる。顧客はSaaS製品を試用し、気に入れば使い続け、うまくいけば高度な機能に料金を支払ってくれる。

Dheeraj Pandey, left, and Manoj Agarwal are launching a developer-focused CRM called DevRev.
Dheeraj Pandey氏(左)とManoj Agarwal氏
提供:DevRev

 そういったケースでも、コードの開発者らは「バックオフィス」とでもいう場所に追いやられ、「Jira」のようなツールを用いたバグ追跡に明け暮れることもよくある。その一方、営業や売上高の創出に直接関係するCRM(顧客関係管理)のような「フロントオフィス」向けツールは開発者向けのツールと切り離された形でサイロ化されている。

 このような状況を変革するために立ち上げられた新興企業のDevRevは米国時間7月14日、ステルスモードを脱し、調達した5000万ドル(約55億円)の資金により、開発者(developer)と売上高(revenue)の関係の緊密化を目指していくと発表した。この目標が社名の由来となっている。

 DevRevの共同創業者であり、Nutanixの最高経営責任者(CEO)を務めたこともあるDheeraj Pandey氏は米ZDNetに「DevOpsの時代において、コードは開発と運用を再定義した」と述べ、「RevOpsの世界において、コードはサポートと成長を再定義することになる」と続けた。

 Pandey氏は2020年にNutanixのCEOを退任し、わずか数カ月後にDevRevを立ち上げた。同氏は2009年にHCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャー)ソリューション企業のNutanixを創業した。同氏は、Nutanixの元エンジニアリング担当シニアバイスプレジデントであるManoj Agarwal氏とともにDevRevに取り組んでいる。初期の利用者と協力し、2022年までにDevRevを一般提供(GA)する計画だ。

 これまでDevRevに投資しているのは、Mayfield FundとKhosla Venturesだ。この「コロナ後の企業」は、世界で75人を超える人材を採用している。チームのメンバーは、オースティン、バンガロール、リュブリャナ(スロベニア)、サンフランシスコのベイエリアなどを拠点としている。

 DevRevのプラットフォームを用いることで開発者は、自らのコードを本番環境面の問題と顧客とのやりとりの双方に結び付けられるようになる。このプラットフォームは、APIを介したデータの取得によって、顧客エンゲージメントや、アプリのパフォーマンスに関するフィードバックをリアルタイムで提供できる。

 開発者は、顧客がどのような機能を利用しているのかや、どれだけの収益がかかわっているのか、新規顧客の獲得に向けたパイプラインがどのようなものなのかといったデータ、すなわち自らの作業の優先順位をより適切に理解するためのデータにアクセスできるようになる。このようなデータをふるいにかけ、開発者に対して意味ある洞察を提供するために、DevRevのプラットフォームは人工知能(AI)を活用するものになるとPandey氏とAgarwal氏は述べた。

 Pandey氏によると、開発者と顧客のために楽しみや、協調的かつ社会的なエクスペリエンスを生み出すことも、同社のプラットフォームの重要な役割だという。

 同氏は、「これは大きな効果があると考えている」と述べ、「私が10年か11年前にNutanixを共同で創業した際、われわれは顧客と開発者の距離を縮めるという点で極めて良い仕事をした。そして『Slack』は大いに役立ったものの、コンテキストを欠いていた。つまり作業と顧客、ビジネスというコンテキストを有していなかった」と続けた。

 DevRevはまず、クラウドを通じてコードを提供することに注力する小規模なデジタル企業のSaaS開発者を対象に据えている。その後、同社はさらなる機能を提供しながら、着実にSaaS企業の市場に歩を進めていくとPandey氏は述べた。

 同氏は、「顧客サポートはこのパズルの重要なピースだが、時とともにこれはエンゲージメントやアイデンティティーといった物事になるはずだ」とし、コードの構築からデプロイに至るまで、ビジネスを成長させる上で有用になると話す。

 Pandey氏は、SaaSビジネスをうまく成長させるためには、カスタマーチャーンを抑制できる、開発者を中心に据えたアプローチが必要になると述べている。

 同氏は、「顧客ロイヤルティーがこのフェーズに来ており、面倒なことが減っている」と話す。「人々は小規模に購入している。そして、全てがデジタルなこの世界で、月額サブスクリプションなどは、競合製品に容易に乗り換えられる」。同氏は、解約率の高さは、「エンドユーザーをメーカーから遠ざけた」結果だと述べた。

 ますますデジタル化しているエコノミーでは、開発者をマーチャントのように考える必要があるとPandey氏は言う。

 同氏は、「彼らが世界で提供しているものはコードだ」と述べ、「彼らをマーチャントや起業家のように考えられるプラットフォームを提供できれば、私たちは成功したと言える」とした。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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