Amazon Web Services(AWS)は、同社のブロックストレージ製品を簡素化するための取り組みとして、「Amazon EBS io2 Block Express」ボリュームの一般提供(GA)を開始した。このサービスは、基本的にストレージエリアネットワーク(SAN)の機能をクラウドで提供する。
Amazon EBS io2 Block Expressは「re:Invent 2020」で発表された。ミッションクリティカルなストレージやデータベースの移行を容易にするという、同社が追求しているテーマに従った製品の1つに位置づけられる。
AWSのストレージ担当バイスプレジデントMai-Lan Tomsen Bukovec氏は、EBS io2 Block Expressは、同社がストレージとクラウドの進化をどのように見ているかを示していると述べた。大まかに言えば、AWSのロードマップの90%は、顧客が求めるものから、10%は顧客が解消しようとしている問題から生じているという。Bukovec氏は、「顧客は私たちに、彼らが抱えている問題、そして彼らが何を求めているかを伝えている」と言う。「私たちはテクノロジーの共通のコンセプトに落とし込み、ゼロから構築する」
EBS io2 Block Expressは、顧客がSANに関して抱えている問題や、古いアーキテクチャーやインフラにロックインされていることによる問題に対応するサービスだとBukovec氏は述べている。io2 Block Expressは一歩進んだSANを目指して作られたストレージサーバーアーキテクチャーだ。遅延はミリ秒以下、ボリュームあたり4000MB/秒のスループット、最大25万6000 IOPS、64TiBのストレージ容量を実現する。
Bukovec氏は、AWSは単なる性能だけでなく、新しいサービスに移行しなくても進化と拡張が可能なアーキテクチャーを目指したと述べている。
io2 Block Expressボリュームは、Oracleのデータベース製品や、「SAP HANA」「Microsoft SQL Server」「SAS Analytics」などの製品で利用することを想定して設計されている。
AWSは、同社がio2 Block Expressをリリースしたのは、企業が99.999%の耐久性とより高いパフォーマンスを求めていたためだと述べている。多くの顧客はこれまで、複数のio2ボリュームを組み合わせて使用していたが、それが管理上の頭痛の種になってしまっていた場合もある。ミッションクリティカルなアプリケーションにはオンプレミスのSANが使用されることが多いが、そのためのインフラを構築するにはかなりの先行投資が必要になる。
io2 Block Expressのアーキテクチャーは、ハードウェアレイヤーでコンピュートをストレージから分離させ、パフォーマンスを向上させている。またAWSは、このサービスのために基盤となるElastic Block Storeのハードウェア、ソフトウェア、ネットワークスタックを刷新している。
AWSによれば、io2 Block Expressボリュームは、「R5b」インスタンスが利用できるすべてのリージョンで利用できる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。