本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、大塚商会が提供する生産管理クラウドソリューション「生産革新Wun-jin SMILE V Air」を取り上げる。
多品種小ロット生産の中小製造業での生産管理効率化を支援
大塚商会は先頃、製造業向け生産管理クラウドソリューション「生産革新Wun-jin(雲神:ウンジン)SMILE V Air」を提供開始すると発表した。
多品種小ロット生産で加工を中心とする中小製造業では、システムの専任担当者が不在のケースが多いことや、システム導入の初期投資に多くの費用をかけられないこと、小規模企業に適したシステムが少ないことから、生産管理システムの導入が進んでいなかった。そのため、生産管理業務において担当者ごとに属人的に管理しているなど、社内での情報共有に多くの課題が見受けられた。
そこで大塚商会は、これらの課題を解決するために、サーバーなどの初期投資が不要な今回の生産管理のクラウド型ソリューションの提供を開始した。
このサービスは、同社のグループ会社である OSKが開発した生産管理システム「生産革新ファミリー」の最新製品である生産革新Wun-jin SMILE Vを、大塚商会が管理、運用しているクラウド環境から「SMILE V Air」の新ラインアップとして提供する形だ。(図1)

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生産革新Wun-jin SMILE V Airは、多品種小ロット生産で、加工を中心とする中小製造業向けのクラウドサービスである。繰り返し使用しない品目のマスターは登録不要で、すぐに運用が始められる。
導入企業は工程進捗や負荷を確認しながら納期回答や、製造指図書や注文書の発行、売掛と請求、買掛と支払の一元管理が行える。モノづくりにおける社内での円滑な情報共有ができるようになり、生産性向上と競争力強化につなげることができるのが特徴だ。
クラウド型運用のため、サーバーなどの初期費用を抑え、安価に利用することが可能。導入企業は社内に専任技術スタッフが不要となり、管理負荷が軽減される。また、同社の専任技術スタッフによるオンライン指導やサポートにより安心して運用できる。
税別利用料金は、5IDで月額3万5000円から。別途、指導料が必要となる。