Microsoftは米国時間7月20日、Windows 10に存在する特権昇格の脆弱性(CVE-2021-36934)に関する情報を公開した。これを修正するセキュリティ更新プログラムはまだ無く、同社は回避策を紹介している。
同社および米カーネギーメロン大学のCERT/CCによれば、この脆弱性はWindows 10 ビルド1809以降が影響を受ける。管理者権限を持たないユーザーがセキュリティアカウントマネージャ-(SAM)やシステム、セキュリティ関連レジストリーにアクセスできてしまうアクセスコントロールリスト(ACL)が存在することに起因するという。
脆弱性が悪用された場合、影響を受けるシステムでコードを実行し得る人物がSYSTEM特権に昇格させて任意のコードを実行する恐れがある。同日時点で悪用方法などは公開されていないが、同社の初期評価では悪用される可能性が高いという。
セキュリティ更新プログラムの提供は未定だが、Microsoftは回避策として、「%windir%\system32\config」領域へのアクセスを制限する方法や、ボリュームシャドーコピーサービス(VSS)のシャドーコピーを削除することを紹介している。ただし、シャドーコピーを削除した場合は、サードパーティー製アプリケーションなどのバックアップデータを正常に復元できない場合があると注意を呼び掛けている。