ITRは、国内プロセスマイニング市場規模の推移と予測を発表した。これによると、同市場の2020年度の売上金額は5億3000万円で、前年度比253.3%増の急速な伸びを示した。2021年度は引き続き同83.0%増の伸びを予測している。また、2020〜2025年度のCAGR(年平均成長率)は49.8%の高い伸びを予測しており、2025年度には40億円になる見込みだという。
プロセスマイニングは、企業内のさまざまな業務システムに蓄積されているイベントログなどのデータをもとに、部門をまたぐ業務プロセスの処理パターンを可視化、分析する製品・サービス。プロセスに関わる工数の算出や例外処理やボトルネック、不十分な職務分掌の抽出などを通して、全社規模での業務改善を支援する。
ITRによると、いち早くこの市場に参入したCelonisとCognitive Technology(国内総販売元はハートコア)の2社が市場をけん引しているという。また2020年度にUiPathやABBYYが本格的に参入したことにより、市場認知度が高まってる。
また同市場の成長要因の1つとしてコロナ禍において業務プロセスの可視化、効率化の重要性が高まっていることが挙げられている。
ITRは、プロセスマイニングが業務プロセスのデジタル化や自動化を推進するための主力ソリューションの1つとして認知されるようになり、国内でもエコシステムが形成されつつあるとしている。また今後は製品・サービスの機能も強化され、現状分析にとどまらず、改善箇所の提案や必要なアクションの実行までカバーするようになってくると予測している。