データベースの基本を知る--検索と並び替えでデータを見つけやすくする

伊達諒

2021-08-04 07:00

 前回は、データの取り込み方法とデータを直接入力する方法について学習しました。一応データベースは完成し、後はデータを追加したり、削除したりすることで最新の状態を保っていくことになります。

 データベースの役割は、データを1箇所にストックすることにありますが、それは、データを必要な時にいつでも引き出し、並び替えできる状態にしておく必要があるからです。それを実際に行うのが「検索」や「ソート」です。

 「検索」というと、検索サイトをイメージすると思いますが、「Claris FileMaker」の場合、全体を検索するだけでなく、フィールドごとに検索することもできます。今回は、FileMakerに特有な検索方法や表示の仕方、ソートの方法などについて解説します。

クイック検索

(1)クイック検索の方法

 FileMakerには、「クイック検索」という簡単に検索できる機能があります。前回までに作成した「住所録.fmp12」というファイル(アイコン)をダブルクリックして起動してください。そうすると図1のような画面が表示されます。 もし違うレイアウトが表示されていたら、「住所録リスト」に切り替えてください。

図1 図1
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 右上にある「検索」というところが「クイック検索」を行う検索内容の入力欄です。試しに「まさ」と入力して「Enter」または「return」キーを押してください。そうすると、図2のような表示になります。

図2 図2
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 「ふりがな」の欄に「まさ」という文字が含まれていることがわかると思います。ただ、このデータでは名字と名前の区別はしていないため、「おかやまさとこ」では名字の1文字と名前の1文字で「まさ」と判断されています。

 名前の中から「まさ」を含んだものを検索したかった場合、この検索結果では、検索意図と合致していないわけです。また、数字を検索する場合も同様に、意図と異なる検索結果になる可能性があります。

 このように、検索意図どおりに検索することは結構難しいことなのです。検索機能だけでは解決できない問題もあるため、フィールドを作成する際は、「姓」と「名」を分けるなど、検索を意識した設計をする必要があります。

(2)元に戻す操作

 検索した件数は、上部の左側に「該当件数(未ソート)」というところに表示されます。本件の場合、12件のレコードから3件が検索されたということが示されています。元の12件のレコードに戻すには、上部にある「すべてを表示」ボタンをクリックする(図3)か、メニューから「レコード」→「全レコードを表示」を選択します。

図3 図3
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 そうすると元の12件が表示されます。「3/12 該当件数(未ソート)」となっていたところが、「12 合計(未ソート)」になっていることがわかります(図4)。

図4 図4
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(3)他のレイアウトでの操作

 クイック検索の方法は、他のレイアウトでも操作は同じです。検索の入力欄に「まさ」と入力して「Enter」または「Return」キーを押すと検索結果が表示されます。今までとレイアウトが違っていますが、上部に「3/12 該当件数(未ソート)」と表示されているように、12件中3件が検索されていることがわかります(図5)。

図5 図5
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 他のレコードを見たい場合には、左上の「>」をクリックするか、スライダーを動かすとレコードが切り替わります。「>」を1回クリックしてみて下さい。レコードの選択が「1」から「2」に変わり、レコードの内容も変わりました(図6)。

図6 図6
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