Google Cloudが「RISE with SAP」の戦略的パートナーに

Larry Dignan (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2021-07-30 10:09

 Google Cloudは、顧客のクラウド移行を支援するSAPの新サービス「RISE with SAP」の戦略的パートナーになることを明らかにした。

Google Cloud
提供:Shutterstock

 この提携により、RISE with SAPの顧客は、人工知能(AI)や機械学習(ML)を含む、Google Cloudのサービスを活用できるようになる。SAPが1月に概要を発表したこの取り組みは、クラウド導入の簡素化とサブスクリプションモデルへの移行を促進するのが狙い。SAPのアプリケーションをカスタマイズすることが多かった顧客企業は、より標準的なモデルに移行しようとしており、RISE with SAPをビジネスプロセス変革の手段ととらえている。SAPは、クラウドERPのモジュール化に精力的に取り組んでおり、ヒューマンエクスペリエンス管理や分析などのモジュールでRISE with SAPを拡張している。また今後、さらにモジュールを追加していく計画だ。

 SAPは第2四半期の決算報告で、RISEプログラムに弾みがついていることをアピールした。Google Cloudとの提携により、顧客はGoogle CloudでSAPの複数のサービスや製品を利用できるようになる。同社は「SAP Analytics Cloud」と「SAP Data Warehouse Cloud」も、Google Cloudで利用可能になるとしている。

 SAPとGoogleは2021年、Energizer、MSC Industrial、AES Corp.などの共通の顧客を獲得するためのプログラムを開始した。例えば、EnergizerはRISEプログラムを使用して、同社の中枢的な財務業務のために、Google Cloudで「SAP S/4HANA」を展開している。

 SAP CloudのプレジデントとしてRISE with SAPを統括するBrian Duffy氏によると、SAPとGoogle Cloudは複数業界で共通の顧客を抱えている一方、両社が提供するサービスはより広範だと説明する。Duffy氏は「これは全ての顧客に関連した一般的なサービスだ」とし、「1つの業界に特化したものではない」と述べた。

 Duffy氏は、Google CloudとRISEのロードマップは作成中だが、両社は補完的なサービスを提供していると語った。「われわれが得意とするのはERPだ。それが当社の専門だからだ。同様にGoogle Cloudも、得意な分野がある」とDuffy氏は言う。「両社ともに専門分野を心得ており、また顧客の声に耳を傾けているのも明らかだ」(同氏)

 Google Cloudのセールス担当プレジデントのRob Enslin氏は、SAPとの協業により、「SAP HANA」やその他のテクノロジー上に、AI、データ管理、MLのサービスを追加できると述べた。

 Enslin氏によると、両社はより多くの統合のためのロードマップと、共同の市場参入戦略があるという。また、Google CloudはSAPとの提携により、業界に特化した取り組みを前進させることができる。

 「当社は、AI、ビッグデータ、MLに注力している。SAPはプロセスに力を入れている。われわれは、そうした一部のプロセスの価値を高め、補強することができる」とEnslin氏は説明した。「例えば、BigQueryとSAP HANAは非常に補完的だ」(同氏)

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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