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自然言語生成モデル「GPT-3」を「Power Platform」で--コードの記述が不要に

ZDNet Japan Staff

2021-07-31 08:00

 Microsoftは、非常に大規模な言語モデルに多額の投資を行ってきた。その対象には、言語モデルを「Microsoft Azure」で実行するためのハードウェア(同社は「AIスーパーコンピューター」と呼ぶ)や、膨大な数のパラメーターを持つ機械学習モデルを複数のGPUに分散させることで訓練と実行を高速化する「DeepSpeed」ライブラリーなどがある。

 Microsoftは、強力な(そして物議を醸すこともある)自然言語生成モデル「GPT-3」の独占ライセンスを2020年にOpenAIから取得した。GPT-3は、1750億のパラメーターを使用して、まるで人間が書いたかのような文章を生成する。

 OpenAIには、Azureで訓練して実行するGPT-3 APIがあるが、現在はプライベートベータ版であり、研究者や学者は個別に申請して順番待ちリストに登録しなければならない(このような制限があるにもかかわらず、Microsoftは先ごろ、Azure上のGPT-3は複数の顧客の本番環境で使用される多数のアプリで1日に平均45億語を生成していると発表した)。

 同様に、Microsoftは同社が「Open AI GPT and Azure Service」と呼ぶサービスのプライベートプレビューもまだ開始していない。通知にサインアップするためのページには、リリース日は未定と記載されている。

 だが、Microsoftは、すでにGPT-3や他の自然言語生成を自社製品で使用して、画像の自動キャプション作成よりもはるかに高度な機能を提供している。

 最初の事例は、Microsoftのローコード開発基盤である「Power Platform」だ。Power Platformでは、訓練を受けた開発者以外のユーザーが、データの分析や情報の抽出を実行して、それをカスタムアプリや自動ワークフローで使用できるようにするために、AIの使用が増加している。

Smart Narrativeツールを使用すれば、DAXコードを記述せずに、Power BIで動的な値を作成できる。</br>
提供:Microsoft
Smart Narrativeツールを使用すれば、DAXコードを記述せずに、Power BIで動的な値を作成できる。
提供:Microsoft

強力な言語

 Power BIでレポートを作成する際に、グラフと視覚化だけで十分な情報を提供できる場合もあるが、トレンドや重要な結果についてコメントを加えたくなることも多い。Power BIの「Smart Narrative」機能を使用すると、レポート全体の説明を追加できるほか、特定の視覚化を右クリックして「Summarize」(概要)を選択できる。いずれの場合も、同サービスがデータを分析して、トレンド、成長率、外れ値、通常の値などの洞察を生成した後、それらを説明するテキストを生成する。

 データセットが新しい数字で更新された場合や、データの一面を掘り下げるためにビジュアルをフィルタリングした場合、それに合わせて説明が更新される。

 テキストを編集したり、レポートに関する説明に独自のポイントを追加したりでき、これにはレポート内のフィールドやメジャーを参照する動的な値を使用する(これもデータセットが変更されると更新される)。

 その際には、「Power BI」のQ&Aビジュアルですでに使用しているのと同じ種類の自然言語を用いるが、単に答えが表示されるのではなく、文で使用できる値を取得する。バックグラウンドでは、Power BIがユーザーに代わって「Data Analysis Expressions」(DAX)クエリーを作成している。

 Smart Narrativeが内部でGPT-3を使用しているのか、Power BIの既存のQ&Aテクノロジーだけを使用しているのかは不明だが、Microsoftは、GPT-3を使用してより複雑なDAX式を生成するPower BI機能を開発中だと発表している。この「Easy Measures」と呼ばれる機能は、Smart Narrativeと同じように動作する。

 レポートに表示させたい情報を自分の言葉で入力すると、Power BIが提案のリストをポップアップ表示し、データセット内の情報で数式を作成できるというものだ。提案を選択すると、DAXコードとともに、クエリー結果のプレビューが表示される。数種類のDAX数式が提示されることもあり、その場合は最適な結果を選択してレポートに追加できる。

自分でコードを記述する代わりに、Power BIでGPT-3を使用してDAX式を生成する。</br>
提供:Microsoft
自分でコードを記述する代わりに、Power BIでGPT-3を使用してDAX式を生成する。
提供:Microsoft

 GPT-3に自分の求めるものを説明してDAX計算を作成させれば、コードを手作業で記述する必要がなくなり、もっと多くの人がビジネスロジックや高度な計算をデータ分析に追加できるようになる。現在、ビジネスユーザーはDAXコードを他の場所からコピー&ペーストすることが多い。コードを生成させれば、コピー&ペーストに伴うエラーを回避できるはずだ(また、少しだけ異なるデータセットに数式を対応させるための時間を節約することもできるだろう)。

 「Power Apps」もGPT-3を使用して、ユーザーが日常語で説明した情報からコードを生成するようになるが、先ごろオープンソース化されたPower Platform言語「Power Fx」に変換する。

 Power Appsと「Power Automate」は、コンポーネントや接続からアプリやワークフローを構築するローコードサービスだが、データをフィルタリングまたは変換するコードを追加して、カスタマイズしたくなることもある。Power Fxは「Excel」の関数をベースとしているものの、データの操作や、インタラクティブな要素(ボタンやギャラリーなど)の利用のためのSQLコマンドと命令型プログラミングコマンドがいくつか追加されている。

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