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量子コンピューティングが直面する次なる課題はスキルを有する人材不足

Daphne Leprince-Ringuet (ZDNet UK) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2021-08-06 06:30

 システムアーキテクトやソフトウェアエンジニア、データアナリストといった職種は量子コンピューティング分野でも需要が高まっている。これらの職種は一見すると、従来からのなじみあるIT関係の職種、つまりスマートフォンからスーパーコンピューターに至るまでのわれわれがよく知っている従来型のコンピューターを取り扱うための職種と大差がないように思えるかもしれない。

Quantum computing's next big challenge: A quantum skills shortage
量子コンピューティング分野で急速に顕在化している人材不足を知識の転用で解消しようとしても、元の知識が従来型のコンピューターに関するものだという場合、それがいくら優れていたとしても役には立たない。
提供:IBM

 しかし、量子コンピューティング分野で急増している求人を埋める上で、従来型のコンピューターに関する知識をこの分野に転用するというのは、たとえ極めて優れた知識であってもうまくいかないはずだ。

 量子コンピューターは、われわれが日々使用している従来型のデバイスとは根本から異なっている。量子システムは2進桁(ビット)を使用するのではなく、量子力学の複雑な法則を活用して量子ビット、すなわち「キュービット」を作り出すことで、指数関数時間を必要とする計算処理を現実的な時間で実行できるようにしようとするものだ。

 このため、量子コンピューターの構築やプログラミング、保守はまったく異なるパラダイムに基づくものとなり、量子力学を理解した上で、問題を量子空間に展開するスキルが必要となる。プログラミング言語やアーキテクチャー、ワークフロー、ソフトウェアといったものすべてが、量子コンピューティングに特有のものとなっているのだ。

 そして、こうした幅広い知識を有している人材を見つけ出すのはますます難しくなってきている。

 Cambridge Quantumで量子ソフトウェアの責任者を務めるRoss Duncan氏は米ZDNetに対して、「最大の課題は適切なスキルセットを有する人材の獲得だ」と述べ、「即戦力になる人材を獲得できたのは、ほんの数えるほどしかない」と続けた。

 量子ソフトウェアの開発に注力する同社はたいていの場合、候補者として量子コンピューティングの理論面を把握しているとともに、ソフトウェア開発者としても有能な人材を探し出そうとする。

 Duncan氏は「これはつまり、物理学のバックグラウンドとコンピューティングのバックグラウンドが必要であり、双方を併せ持った候補者を見つけるということだ」と述べた。そして、これは履歴書に書かれる経歴としてよく見かける組み合わせではない。

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