パロアルトネットワークスは、日本企業のクラウド利用動向とセキュリティに関する調査結果を発表した。クラウド利用率は海外と大差がない一方、仮想マシンの利用が中心であることや、セキュリティ対策では包括性や可視性に課題があるとした。
調査は4月に、国内企業でクラウド領域のアプリ開発、システム運用、セキュリティ対策を担当する400人にアンケートした。2020年調査の結果を用いて海外(回答3000人)と日本の比較も行った。
まずワークロード全体に占めるクラウドの利用は、現状で日本が43%、海外が46%だった。2年後の予測では日本が60%、海外が64%でともに遜色がなかった。また、2つ以上のInfrastructure as a Serviceを利用する国内企業は59%に上り、採用するクラウドサービスプロバイダーはAmazon Web Services(AWS)とMicrosoft Azureがともに63%でトップだった。
ワークロード全体に占めるクラウドの利用(出典:パロアルトネットワークス)
日本企業が採用するIaaS(出典:パロアルトネットワークス)
利用するコンピューティングリソースは、日本および海外とも仮想マシンがトップだった。ただ、日本は47%、海外は30%で、仮想マシン以外の手段(Platform as a Service、コンテナー、Container as a Service)について日本の採用率はどれも海外より低かった。
利用するコンピューティングリソースの内訳(出典:パロアルトネットワークス)
国内企業がクラウド移行時に直面した課題では、「包括的なセキュリティの確保」が53%で突出して多く、以下は「技術の複雑性」(29%)や「コンプライアンス」(27%)、「人材不足」(27%)などだった。また、クラウド環境のセキュリティ課題には、「クラウドアプリケーションに存在する脆弱性の可視性の欠如」(27%)や「セキュリティ予算の確保」(13%)、「反復的なセキュリティ対応の自動化」(13%)、「セキュリティツールのインテグレーション」(11%)、「セキュリティの現状評価」(10%)などが挙がった。
クラウド移行時に直面した課題(出典:パロアルトネットワークス)
国内企業がセキュリティベンダーに求める絶対的な要件には、「マルチクラウド・ハイブリッドクラウド対応」(43%)や「プライベートクラウド・パブリッククラウド対応」(36%)が多かった。