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深層学習で進化する言語理解AI--「BERT」「GPT-3」は何がスゴいのか、何に使えるか? - (page 2)

城塚音也 (NTTデータ先端技術)

2021-08-17 07:00

適用事例

 BERTは、Googleが公開してから3年たっており、日本語版のモデルも公開していることから、顧客の問い合わせに対する回答検索や契約書、日報のリスクチェックなど、さまざまな商用サービスへの適用が進んでいます。バックオフィスにおける審査業務への適用事例として、NTTデータ東北の自治体向け要介護認定事務向け支援サービス「Aitice」を紹介します。

 Aiticeは、申請書の内容と添付した申請者の心身の状態に関するレポートの内容に矛盾がないかをチェックする作業を、BERTで自動化します。例えば、「両下肢とも筋力の低下が観られ、挙上可能であるが、自動では途中までしか挙上静止できない」というレポートを入力すると、BERTが「両下肢」が「麻痺している」という四肢の状態を正しく理解し、申請内容との不一致があると、Aiticeが審査者に知らせてくれます。郡山市などに導入されており最大7割ほどの人的コストの削減が見込まれるとのことです。

 次にGPT-3の適用事例を紹介します。こちらは日本語に対応していないため、外国での事例となります。米国の「Viable」というアプリは、GPT-3の話題抽出や要約の機能を使うことで、ヘルプデスク、レビュー記事などから集められた顧客の声から、企業が提供しているサービスや製品について、どんな話題が話されているのか、どんな気持ちを抱いているかなどを明らかにします。下の図2の例では、「ECサイトのチェックアウトについて問題があるか?」という問いかけに対して、Viableは、「顧客サポートの会話から、最終画面がタイムアウトしてしまう問題があり、その結果購入をあきらめてしまうお客様がでている」という分析結果を報告しています。

図2:GPT-3を活用したサービスViableの画面(出典:Viable) 図2:GPT-3を活用したサービスViableの画面(出典:Viable)
※クリックすると拡大画像が見られます

 また、エンターテイメントの分野ではFable Studioという企業がGPT-3の対話生成機能を活用し、人間と自然な会話する仮想キャラクター(Virtual Being)をインタラクティブストーリーという新たなジャンルのコンテンツとして提供しています。

 変わった使い方としては、Microsoftが同社のプログラミング製品「Power Apps」でGPT-3を活用し、自然言語で書かれた文を自動的にプログラムに変換する機能を実現しています。例えば「find products where the name starts with ‘kids’」(「kids」で始まる名前の製品を見つけろ)のように文を書くと、Power Appsが「Filter(‘BC Orders’ Left(‘Product Name’,4)=”Kids”)」というプログラムに変換してくれます。

 次回は、トランスフォーマーによる言語理解AI、BERTとGPTシリーズについて、その違いや適用方法について紹介します。

(第2回は8月下旬にて掲載予定)

城塚 音也(しろつか おとや)
NTTデータ先端技術
ソフトウェアソリューション事業本部
AIソリューション事業部 AIサービス開発担当
プリンシパルサイエンティスト

1988年、日本電信電話(NTT)入社。1989年からNTTデータにて音声対話システムやテキストマイニングなどのAI技術の研究開発に従事。AIソリューション推進室長、AIソリューション開発部長を経て2017年4月よりNTTデータ先端技術でAIソリューションの企画、AI導入コンサルを主導。 NTTデータ エグゼクティブR&Dスペシャリスト、SRIインターナショナル インターナショナルフェロー。

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