派遣先で異なる勤務形態--複雑な勤怠管理を効率化した建築設計事務所の妙手

鍋島理人 (Innerstudio) 藤代格 (編集部)

2021-08-10 07:15

 建築設計事務所の池下設計(東京都杉並区、従業員数694人)は、建築における生産設計や施工管理のリーディングカンパニーであり、施工図に特化した高い生産設計技術やCAD技術を強みとしている。建築のスペシャリスト集団として、数多くの先端的なプロジェクトに参画し、建築業界のクライアントに専門的な技術やノウハウを提供している。

派遣先からのファクスを集計--手作業は限界に

 同社の業務の大きな特徴は、8割以上の従業員を技術者として、大手ゼネコンなどさまざまな事業者の現場に派遣していることだ。一方、社外に派遣した従業員の勤怠状況を正確に把握することが課題で、従来の手作業と「Excel」による集計をベースとした勤怠管理が大きな負担となっていた。

池下設計 総務部総務2課 池田氏
池下設計 総務部総務2課 池田氏

 同社 総務部総務2課 池田誠氏は「ファクスで送られてきた勤務表を月末の締め時に集計して、勤怠管理や給与計算を行っていましたが、人数が増えてきて、手作業に限界を感じていました。また、日々の勤怠状況のリアルタイムな把握や、従業員自らが打刻や残業、休暇を申請できるようにすることも課題でした」と話す。

 従業員が500人弱となった2013年には別の勤怠管理システムを導入するも、操作性や動作の安定性に課題があったという。池田氏は、「勤怠に加えて工数管理も必要だったのですが、工数を入力しはじめると、動作が重くなり、システムのフリーズが多発するようになりました。日々打刻や申請を行う従業員からも不評で、新しいシステムの導入を検討し始めました」と当時の状況を振り返る。

決め手は操作性と設定の柔軟性

 そこで、2016年に同社が新たな勤怠管理システムとして導入したのが、「TeamSpirit」だ。

 当初は別のツールの採用を決めていたというが、土壇場で決定を覆したのは、TeamSpiritの快適な操作性だった。池田氏は、「従業員からの推薦があり、デモに来てもらったのですが、使いやすさに驚きました。見た目にも分かりやすく、動作も軽く、これなら行けると思いました」と話す。

 TeamSpiritは勤怠入力や各種申請を行う際、できるだけ操作や画面遷移が少なくなるように設計されている。また、機能ごとに一貫した色分けをして意味をもたせるなど、直感的な操作ができるようにデザインされている。これらの工夫によって、PCのマウス操作に加え、スマートフォンやタブレットなどモバイル端末からも使いやすいのが、TeamSpiritの大きな特徴だ。

 利用者目線に加え、煩雑な労務管理を大幅に効率化できることも、TeamSpiritの採用を後押ししたという。同社 総務部 部長の新妻淳氏は、「弊社の勤務時間は午前8時30分~午後5時30分ですが、従業員の派遣先にはさまざまな勤務形態が存在しています。TeamSpiritは、それら個別の勤務形態に合わせて設定できるのも魅力的でした。さまざまなパターンに対して、正確に残業計算などができるのは、管理工数を削減する上で大きなメリットでした」と話す。

管理画面と登録画面のイメージ(出典:池下設計) 管理画面と登録画面のイメージ(出典:池下設計)
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