181カ国、8万人以上の開発者がお気に入りの技術に投票した結果、Mozillaが支援し、開発されたプログラミング言語「Rust」が再びランキングのトップに立った。
Rustを使っている開発者の86.69%がRustを「好ましい言語」だと答えていた。Rustは、プログラマー向けのQ&Aサイト「Stack Overflow」が毎年実施している調査で、6年連続で「最も好ましい言語」の首位になっている。この調査「2021 Developer Survey」は、2021年5月25日~6月15日にかけて実施され、181カ国の開発者8万3439人から回答を得た。
Stack Overflowのこの調査では、開発者がある言語を好ましいと思っているかどうかを測る指標として、「過去1年間に使用した言語」について、来年もその言語を使用したいと答えた人の割合を用いている。また、どの程度嫌われているかを測る指標には、「過去1年間に使用した言語」について、来年は使用したくないと答えた人の割合を使用した。
もっとも、Rustを好ましいと思っている開発者の割合は高かったものの、そう答えた開発者の実数は5044人にすぎなかった。一方、気に入られる率が3番目に高かった「TypeScript」は、1万8117人から好かれていた。TypeScriptは、Microsoftが開発したJavaScriptの上位セット言語で、大規模なフロントエンドウェブアプリケーションを効率的に開発するために使用されている。
「もっとも好まれている言語」のトップ10は、上から順にRust、Clojure、TypeScript、Elixir、Julia、Python、Dart、Swift、Node.js、Goとなっている。
Rustはシステムプログラミングよく使われており、メモリー関連のセキュリティ問題を減らせることもあって、C言語に次ぐLinuxカーネル開発の第2言語に採用する可能性について一部で議論されている。
C言語は今でも幅広く使われているが、この言語を好んでいる人(39.56%)よりも、嫌っている人(60.44%)の方が多い。
C言語と同じように、「好んでいる」人よりも「嫌っている」人の方が多い言語には、C++、Delphi、Java、R、PowerShell、PHP、Perl、Assembly、Groovy、Objective-C、Matlab、VBA、COBOLなどがあった。開発者は必ずしも来年使う言語を自由に選べるわけではないが、Stack Overflowの数字は、開発者がこれらの言語を使うのを避けようとするかもしれないことを示している。
これは、好んでいる人が47.15%しかおらず、開発者の52.85%に嫌われているJavaにとっては悪いニュースだといえるだろう。とはいえこの数字は、過去1年間にJavaを使用した3万人近くの開発者から得られた回答に基づくものであり、Javaを使っている開発者の方が、Rustを使っている開発者よりもはるかに多い。
実際、Javaよりも開発者が多い言語は、JavaScript(約5万4000人)とPython(約4万人)などわずかだった。Javaは、Oracleにとって、2010年にSun Microsystemsを買収した際に獲得したもっとも重要な資産の1つだった。Oracleは2021年春に、Googleとの間で10年間に渡って続いていた「Android」でのJava APIの利用に関する法廷闘争に敗れている。