日本オラクルは、トヨタマップマスターが地図制作業務のDX(デジタル変革)を支援するシステム刷新に「Oracle Cloud」を採用したと発表した。新しい地図制作データベース基盤は、日本オラクルのコンサルティング部門の技術支援のもと、2021年度中に構築し、段階的に稼働を開始する予定。
この取り組みには、「Oracle Database Cloud Service」のコンバージドエンジンや高度なデータベース機能に加え、価格性能、柔軟性、セキュリティ、拡張性に優れた「Oracle Cloud Infrastructure」(OCI)を活用する。これにより、一つのデータベース内で地図制作に必要なデータモデルやデータワークロードを利用/管理できるようになる。
トヨタマップマスターは、カーナビゲーションやインターネット、携帯情報端末向けに高鮮度な地図データベースや施設情報を提供する企業。さまざまな情報をタイムリーに提供する情報基盤プロバイダー「MIPP(Mobility Information Platform Provider)」構想の実現に向けて、地図制作業務のDXを支えるシステム刷新に取り組んでいる。
同社では、全国の道路、建築物や施設、地形の変化を詳細に調査し、その変化を随時データベースに反映して高鮮度かつ高精度な地図を制作しているという。
これまでオンプレミスで利用してきた既存システムでは、ドキュメントデータベースで地図情報を一元管理していたが、業務ごとに追加された数百のツールやデータベースにより生じる地図編集者の業務のサイロ化、ITの運用管理の負荷やデータの増加に伴うデータベースの追加に関するコストが課題となっていた。
そこで、地図制作や更新業務の迅速化を図り、さらにAI(人工知能)や地図の自動生成、ビッグデータの分析/活用など新たな技術領域を強化するため、地図制作データベース基盤刷新をパブリッククラウド上で行うことを検討した。オープンソースベースの機能専用型クラウドデータベースを複数連携させた構成など、複数のパブリッククラウドを比較した結果、Oracle Database Cloud ServiceとOCIを採用することになった。