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世界を変えたウェブ、30年超を経て今振り返る誕生と黎明期

Steven J. Vaughan-Nichols (Special to ZDNet.com) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2021-08-16 06:30

 われわれのほとんどは現在、ウェブを介して生活や仕事、恋愛、商品の購入を行っている。つまり、ウェブはわれわれにとって当たり前の存在になっている。しかし昔からそうだったわけではない。Tim Berners-Lee氏は1989年に、さまざまなコンピューターを横断して情報を関連付ける統一的な構造を作り出す自分なりの方法を考えついた。同氏はそれを「Information Management: A Proposal」(情報の管理:提案)と呼んだ。同氏は後に、これを「World Wide Web」と呼ぶようになった。これはまったく新しいアイデアというわけではなく、その源はVannevar Bush氏が1945年に発表した「Memex」という概念にまでさかのぼれる。Memexは、リンク付けされたページをたどることで、ライブラリーに保管されているマイクロフィルムを検索し、ドキュメントを表示するという机状の装置だ。似たような概念を聞いた覚えがあるだろうか。あるはずだ。

 このアイデアは、1960年代にTed Nelson氏やDouglas Engelbart氏といった他の人々によってさらに追求されていった。そして1991年8月、Berners-Lee氏はこの理論を、実際に動作するシステム、すなわちWorld Wide Webへと発展させた。それを機に世界は大きく変化していった。

 1989年の時点では、インターネットは主に研究者や学者、軍部によって利用されているだけだった。しかし1993年までには、インターネットとして現在知られているものへと向かう道を歩むようになっていた。こういった変化を引き起こした2つの要因がある。それはウェブ技術の開発と、商用インターネット相互接続協会(CIX)というはるかに知名度の低い組織の設立だ。以下ではその経緯を説明する。

 インターネットは1980年代後半から1990年代初頭にかけて、米国の軍事用ネットワークである「ARPANET」から、軍関係者や科学者、研究者、学者のための公共ネットワークへと進化した。このネットワークは、特定の学校に在籍している、あるいは特定の仕事に就いていれば利用可能だったが、ほとんどの人はアクセスできないものだった。

 この初期のインターネットを利用できた場合であっても、電子メールには「Pine」や「ELM」といったASCIIテキストベースのアプリケーションを、そしてファイルの検索や共有には「FTP」や「Archie」といったUNIXのコマンドライン/シェルプログラムを用いなければならなかった。また、利用できた最も先進的なツールは、インターネットリソースのガイドとなるYahooライクな「Gopher」だった。しかしBerners-Lee氏によってウェブが発明されたことで、すべてが変わった。

 大きな革命だったことには最初、誰も気付かなかった。当時、NeXTのコンピューター(Steve Jobs氏が設計した、今日における「Mac」の祖先とも言えるUNIXワークステーション)上で稼働していたこのウェブは、インターネット内のごく一部のテクノロジーグループしか利用できなかった。つまりウェブは、欧州原子核研究機構(CERN)の科学者らによる研究成果の内部共有を支援する目的で生み出されたものだったのだ。猫の写真が共有されるようになるのは、もっと後になってからのことだ。

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