講座は通常1回90分だが、今回は生徒が筆者一人ということもあり、50分ほどで受講を終えた。Ryan先生によると、指導では正しい文法よりも「流暢さ」を重視するという。「文法が多少間違っていても、流暢に話せていたら相手は内容を理解できる。逆に文法が正しくても、『うーん』と頻繁に考え込んでしまったら、理解しづらい」と同氏は述べる。
今回は初心者向けの講座だったので、業界特有の単語はあまりなく一般的な英会話の教材に近い印象だった。ただ、基本的にはIT業界の日常業務をベースにしているため、ITエンジニアの人々は他の英会話教室よりも、学んだことを業務に生かしやすいと思われる。
また、英会話教室というとリスニング/スピーキング力を鍛えるイメージだったが、同教室ではテキストの読解問題も用意されており、リーディング力も養えると感じた。宿題にはライティング問題もあり、生徒は自分の回答と模範解答を照らし合わせて学びを深めることができる。教材開発は、Ryan先生と取締役専務の古賀彌奈子氏が担当。Ryan先生は基本的なITリテラシーを持ち合わせているといい、同氏がアイデアを出して古賀氏が補足している。
顧客は、基本的に技術研修「チョイトレ」を受講している企業で、生徒は自身のキャリアにおいて英語力の必要性を感じるようになった20代後半から30代半ばの人が多いとのこと。授業はRyan先生が中心に行っているが、他の講師もネイティブかつIT業界の商習慣を把握しているという。
研修内容のカスタマイズを柔軟にできるのも同教室の特徴だ。担当者はまず、顧客企業が抱えている課題、目指すゴール、予算、スケジュール、対象者をヒアリングし、受講者のレベルに合ったコースを選んで研修内容、予算、スケジュールを提案する。ただ、受講者は自分の英語力を正しく認識しているとは限らないので、講師が面談をしてレベルを測ることもあるそうだ。
税別の月額利用価格は、ベーシックなプランが10万円(1契約で利用可能な人数は100人まで)、企業ごとで受講する場合は15万円(月12回開催が上限)、マンツーマンで行う場合は20万円(1契約5人、月20回開催が上限)。サブスクリプション型のため、最も高額なマンツーマンのプランでも他社と比較すると安価だとしている(図3)。
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また企業で採用する場合、学習効果は一層気になるだろう。もし一番難しい「上級者コース」まで受講した場合、生徒はどれぐらいのレベルになるのかと古賀氏に聞いたところ、同氏は「完璧なビジネス英会話は難しいものの、仕事のシーンで十分に会話ができるレベルになる」と述べる。
ただ、講座は週に一回ほどなので、生徒はプライベートでも英会話をする機会を設けたり、仕事の現場で積極的に英語を話したりすることが必要だという。確かに筆者も、英会話を上達させるには、毎日少しでも英語を話す機会を作ることが重要だと感じる。そのため「チョイトレENGLISHプラス」は、IT関連の英語を学ぶとともに、日々インプット/アウトプットしている成果を定期的に確認する場として利用するのがいいのではないだろうか。