Open Compute Project、「OCP 2.0」戦略や今後の重点領域など示す

Liam Tung (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2021-08-12 12:50

 データセンターのハードウェアを向上させることを目指し、メンバー間で設計やアイデアの共有を促すエンジニアリングコミュニティー「Open Compute Project」(OCP)が、プロジェクトの次なる段階を発表した。OCPは2011年に設立され、10周年を迎えている。

 OCPの委員長で、Intelのハイーパースケール戦略・実行担当バイスプレジデントのRebecca Weekly氏は、「過去10年間、いくつものワーキンググループが350件以上の協業を行ったことで、オープンなコンピュート標準は大きく前進した」と述べている。

 Weekly氏が挙げた「OCP 2.0」の目標は、モジュール性、拡張性、持続可能性、スタック間の統合可能性など、概して当初の目的と同様だ。OCPはさらに、オプティクス、オープンなシリコン、人工知能(AI)、冷却などのイノベーションに「シード」する計画だ。

 「OCPは今後も、モジュール式ハードウェア設計のあらゆる側面、すなわちコンピュート、ストレージ、スイッチ、アクセラレーター、ラックに対応する。また、イノベーションを加速し、エコシステムでの導入を通じて規模拡大できるよう、オープンなハードウェア、チップレット、冷却およびソフトウェアソリューションなど、将来を見据えた取り組みへの関心も高まっている」(Weekly氏)

 OCPは、次のようなシードプランを掲げている。

  • オプティクス:最適なコンバージェンスを実現するために、プロセスと技術移行に関する市場の要件の定義を主導する。
  • オープンなシリコン:将来のコパッケージ化のためにインターフェースを定義して、シリコンレベルからクラス最高のコンポーネントを実現し、ツールとレファレンスプラットフォームの標準化を推進する。
  • AI:市場におけるAIの規模を拡大し、AI/MLのイノベーションを推進して、市場での導入をリードするために、大規模なAIトレーニング、AI推論、ユビキタスなAIのための標準化されたインフラソリューションを構築する。
  • 冷却:クラウドからエッジまでの用途に対応できる、クラス最高の先進的な冷却ソリューション、持続可能な浸漬冷却、コールドプレート設計を提供する。

 Open Computeのコミュニティーには、テクノロジーおよびデータセンターの機器ベンダー、クラウドや通信会社、企業、システムインテグレーター、半導体メーカーなど、サプライチェーン全体が含まれる。

 Facebookのエンジニアリングプロジェクトとして始まったOCPは、徐々に業界で勢いを増している。創設メンバーのFacebook、Intel、Rackspace、Goldman Sachsなどに加え、Googleが2016年に、中国のクラウド大手阿里巴巴(アリババ)が2017年に参加した。

 また、以前はAmazon Web Services(AWS)を利用していた小売大手Targetも、2021年にOCPに参加して、エッジコンピューティングハードウェアなどで貢献している。Microsoftが「Azure」クラウドでOCP仕様を採用しているほか、Googleは48V給電ラックの仕様を寄贈し、自社のデータセンターでOCP技術を利用できるようにしている。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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