マイクロソフト、米政府の機密データ対応「Azure Government Top Secret」をGAに

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2021-08-17 13:04

 Microsoftは米国時間8月16日、機密性の高いデータを管理する必要がある政府機関向けのクラウドサービス「Azure Government Top Secret」の一般提供(GA)を開始したと発表した。このクラウドでは60以上のサービスが提供され、今後もさらなるサービスが追加されるという。

 同社はGovernment Top Secretインフラで、諜報機関が使用するITシステムに対する一連のポリシーなどを定めたIntelligence Community Directive(ICD)503に適合したATO(Authorization to Operate:運用のための承認)を獲得している。また同社は、施設における物理的、技術的なセキュリティを定めたICD 705基準に適合したATOも獲得している。

 Azure Goverment Top Secretは2020年12月に発表された。地理的に離れた複数のリージョンで、データレジデンシー、運用継続性、障害回復性のための複数のオプションを顧客に提供し、国家安全保障に関するワークロードを支える。また、これらの新しいAzureのエアギャップリージョンは米国の「Top Secret」(最高機密)レベルに分類されるワークロード向けに設計されている。

 このサービスは、米政府のユーザーが利用できる既存のAzureクラウド製品ファミリーに追加される。つまり、米政府のユーザーは、「Azure Government」「Azure Government Secret」、Azureパブリッククラウドに加えてAzure Government Top Secretを利用できるようになる。米政府と共同で開発されたこのポートフォリオは、データがオンプレミスにあるか、クラウドにあるか、戦略的エッジにあるかにかかわらず、あらゆる機密レベルのデータを対象にすることを目的としている。米国防総省(DoD)と、米諜報コミュニティー内の機関、連邦の民間機関は既にこれらのAzure製品を使用している。

 Azure Governmentのポートフォリオは、すべてのデータ機密分類で利用可能な「Azure Security Center」と「Azure Sentinel」へのアクセスも提供している。これにより、サイバーセキュリティの統一的なアプローチをユーザーに提供し、さまざまなセキュリティポイントソリューションを統合して、Azureやその他の環境内のリソースを分析、保護できるようにする。

 Microsoftは長期にわたり、DoDやインテリジェンスコミュニティーと関係を築いてきたが、最近では逆風にさらされているとの報道があった。同社はここ数年、DoDによる10年間で100億ドル(約1兆円)規模のクラウドプロジェクト「JEDI」(Joint Enterprise Defense Infrastructure)契約をめぐり、Amazon Web Services(AWS)と競ってきた。Microsoftは契約を獲得していたが、最終的にプロジェクトが中止になるという結果となった。そうした中、米国家安全保障局(NSA)が100億ドル規模のクラウド契約をAWSに発注したと報じられた。Microsoftは7月、この「極秘」の契約について抗議した。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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