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NTTデータの新サービスにみる「防災のDX」の中身とは

松岡功

2021-08-19 07:00

 本連載では、筆者が「気になるIT(技術、製品、サービス)」を取り上げ、その概要とともに気になるポイントを挙げてみたい。今回は、NTTデータが提供するデジタル防災プラットフォーム「D-Resilio」を取り上げる。

自治体やインフラ事業者向けに災害対策業務をトータルで支援

 NTTデータは先頃、自治体やインフラ事業者向けに災害対策業務をトータルで支援するデジタル防災プラットフォーム「D-Resilio」を提供開始すると発表した。

 D-Resilioは、自治体やインフラ事業者に求められる災害対策業務のデジタル化、さらに行政やインフラ企業、医療機関などの災害対策時に求められる関係機関間でのリアルタイムでの情報連携を実現するクラウド型のデジタル防災プラットフォームである。

 特長としては大きく次の2つが挙げられる。

 ます1つは、「デジタル技術で災害対策に必要な業務をトータルでサポートする」ことだ。自治体やインフラ事業者の災害対策で必要とされる「情報収集~意思決定~応急対応」の全てのフェーズにおいてデジタル技術を活用し迅速に的確な業務遂行を支援する。

 情報収集については、衛星画像やドローンを活用し、家屋や土砂崩れ、浸水状況などを現地に赴くことなく迅速に広範囲の状況を把握することが可能だ。特に夜間や雨など状況を選ばず高頻度に撮影が可能な小型レーダー衛星を活用し、時間経過に伴う変化を把握することもできる。

 また、NTTデータが保有するTwitter全量データを活用し、被害地域付近の住民のリアルタイムの情報も収集可能。さらに、1km四方の詳細な気象情報を現在から6時間後まで予測することができ、これらを組み合わせることで、災害対策業務に必要な情報収集を迅速、容易に実施することをサポートする。

 意思決定については、収集した情報を統計的なダッシュボード表示や地理情報システム(GIS)を用いた共通状況図(COP)として可視化し、ダッシュボード上のさまざまな情報分析を通して災害対策本部の科学的な意思決定を支援する。さらに、現在研究中の技術として、ドローンで撮影した動画から、道路の亀裂、斜面崩壊、などの箇所を自動抽出する人工知能(AI)がある。この新技術を実際の災害対策の現場へ適用できるよう、研究開発を進めていく構えだ。

 応急対応については、災害対策基本法が2021年になって改正され、現在では市民は警戒レベル4までに必ず避難することが求められる。このため、自治体から住民に向けた避難情報のスピーディーな伝達やさまざまな方法で市民に漏れなく伝達する必要がある。

 NTTデータの保有する減災コミュニケーションシステムでは従来の屋外スピーカー、タブレット端末に加え、伝達率の高い住民所有のスマートフォン、携帯電話の端末や、SNSやホームページなどとも連携し、一度の操作で多様な伝達手段へ一括して情報を配信し、作業負担の軽減と確実な情報伝達の両立が可能だ。

 もう1つの特長は、「他のシステムや関係機関と簡易に連携可能」なことだ。D-ResilioはAPIなどの各種連携機能により、既存の災害対策関連システムや広域災害救急医療情報システム(EMIS)、県の総合防災情報システムとの連携など、災害対策時に必要となる関係機関間での情報連携を支援する。例えば土砂崩れがあった場合に、都道府県、市区町村、国の出先機関、電力などのインフラ企業、損害保険会社などがこれまで個別に行っていた現地調査も、先行実施した組織が被害調査結果を共有することで他の組織での調査の代替も見込まれる。(図1

図1:D-Resilioの提供機能イメージ(出典:NTTデータ) 図1:D-Resilioの提供機能イメージ(出典:NTTデータ)
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