NECと富士通、ポスト5Gに向けた基地局装置間の相互接続性検証技術を開発へ

NO BUDGET

2021-08-23 10:28

 NECと富士通は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が進める「ポスト5G情報通信システム基盤強化研究開発事業」において、ポスト5Gに対応した基地局装置間の相互接続性を検証する技術の研究開発を開始する。

 “ポスト5G”とは、各国で商用サービスが始まりつつある第5世代移動通信システム(5G)の超低遅延や多数同時接続をさらに機能強化したもの。工場や自動車など多様な産業での活用が見込まれており、日本の競争力の核となり得る技術と期待されている。

 NECは英国にあるNEC Europe内の、富士通は米国にあるFujitsu Network Communications内のO-RAN検証ラボで研究開発を進める。8月から段階的に同技術を用いた検証環境を両社のラボに構築し、検証を開始する予定。この検証環境を活用することで、異なるベンダーの装置間における相互接続性検証を大幅に効率化することができる。

 相互接続性検証とは、基地局を構成する装置間の接続、最大スループット(性能)が出るか、複数のユーザー端末を接続した際でも所望のスループットが出るかなどを評価・検証すること。

 近年は基地局装置のオープン化の動きが活発化しており、O-RAN Alliance(Open Radio Access Network Alliance)で策定されているO-RANフロントホールインターフェース仕様により、さまざまな装置ベンダーの基地局無線機(RU:Radio Unit)と制御部(CU/DU:Central Unit/Distributed Unit)を接続することが可能になりつつある。

 しかし、異なるベンダーの装置間で相互接続性を迅速に検証するには、検証プロセスの確立、共通で使用できるツールの開発、検証環境の整備などが必要となる。

相互接続性検証技術を組み込んだ適合性試験系
相互接続性検証技術を組み込んだ適合性試験系
相互接続性検証技術を組み込んだエンドツーエンド試験系
相互接続性検証技術を組み込んだエンドツーエンド試験系

 英国と米国のラボでは、O-RAN仕様に準拠して標準テストができる適合性試験系(Conformance Test System)やコアネットワークから端末までの接続検証が可能なエンドツーエンド試験系(E2E Test System)を活用する。

 さらに今後開発していく各技術を相互接続性検証に組み込むことで、システム全体の正常性検証や性能検証などを、各国地域・事業者の商用環境に近い条件で効率的に実施可能となる。

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