KPMGコンサルティングは、世界各国の人事(HR)リーダーを対象に、ニューリアリティー(コロナ禍でのビジネス環境)における人事部門の現状と未来への展望を明らかにすることを目的に調査したレポート「Future of HR in the New Reality 〜人事部門の未来、With/Afterコロナにおける人事部門の存在意義とは」を発行した。
これによると、今後1、2年におけるニューリアリティーを見据えた際に97%以上の企業が「リモートワークを継続する」と回答しているという。この調査は2020年7~8月にかけて実施された。調査対象は日本が73社、グローバルが1288社。
また新型コロナウイルス感染症の影響下における対応段階として、日本の回答者の33%が最初の対応ステップである「リアクションの段階」と回答している。KPMGコンサルティングでは、これはグローバルの結果と比べて高い値であり、日本企業が対応に苦戦していることを表していると指摘する。
さらに、人事部門の存在意義について、日本の6割の回答者が「付加価値を生む存在ではなく、いまだに管理部門とみなされている」と回答している。これは2019年の同じ調査の結果と全く同一となった。日本企業の約半数の回答者は、社内に付加価値を提供するために必要なスキル、行動として「企業変革を導くチェンジマネジメントを実践すべき」としている。
KPMGコンサルティングでは、いまだに管理部門とみなされている日本の人事部門が価値提供部門となるための4つのポイントとして、将来の組織と要員に関する予測・戦略立案を担う「ワークフォースシェイピング」、事業戦略や外部環境に沿った組織風土のデザインと改革をリードする「チェンジングカルチャー」、従業員個々人の経験から働きがいをデザインする「EX ーエンプロイー・エクスペリエンス」の3点に、データドリブンな施策を可能とする「データ活用」を挙げている。