セールスフォース・ドットコムは8月27日、ビジネスアプリストア「AppExchange」をテーマにしたイベント「Salesforce AppExchange Summit 2021」をオンラインで開催した。顧客やパートナー企業が登壇し、本記事では導入事例を紹介したベルフェイスの講演内容をお伝えする。
オンライン営業システム「bellFace」などを展開するベルフェイスは、2015年の創業以来、従業員数を着実に増やしてきた。ただ、これまでに3つのフェーズで課題に直面したという。創業段階では少人数組織でのオペレーション効率化、5億円の資金調達後は複数の部署や販売パターンに対応可能なオペレーションの整備、現在は組織規模のさらなる拡大を見据えた統制やデータドリブンな組織への移行が必要となっている(図1)。
図1(出典:ベルフェイス)
これらの課題に対応する中で同社は、AppExchange内のツールを複数導入し、営業支援/顧客管理システム「Salesforce Sales Cloud」を中心に仕組みを構築してきた。
創業段階のオペレーション効率化の課題では、「少人数で生産的にサブスクリプションを請求したい」というニーズがあり、経理業務を効率化する「請求管理ロボ」を導入した。当時は手作業で請求管理をしていたが、顧客数の増加に伴い無理が出てきたという。
請求管理ロボにより、サブスクリプション特有の継続請求に対応できるようになったほか、Salesforceのビジネスプロセス自動化ツール「プロセスビルダー」と連携させることで、請求明細の転記入力を自動化した。その結果、2日間かかっていた請求業務が約2時間で完了するようになった。
資金調達後のオペレーション整備の課題では、「乱雑で無秩序なデータを簡単に整備したい」というニーズがあり、Excelのようにデータを操作できる「Raysheet」を導入。これにより、データを一つひとつチェックしつつ、Excelのように一括変更できるようになった。加えて、月ごとの年間契約数の変化も可視化された。
現在の課題であるデータドリブンな組織への移行では、「組織成長に合わせて現場情報を可視化したい」というニーズがあり、データ分析ツール「Tableau」、クラウド名刺管理サービス「Sansan」、セールスリサーチ基盤「FORCAS」を導入した。その結果、従業員個人によるデータへのアクセス、名刺管理による情報収集、企業の情報を把握した上で営業戦略を練ることが可能となった。
ベルフェイス エンタープライズ金融営業本部長 兼 エンタープライズ戦略営業本部長の清水貴裕氏は、「これらの取り組みの共通点は、組織のフェーズに合わせて素早く連携できるツールを導入し、課題を解消したこと」と締めくくった。