クアルトリクスは9月10日、新たな従業員エクスペリエンス(EX)管理のためのフレームワーク「EX25」を発表した。EX25は、企業や組織が従業員の声を定期的に収集できるように設計され、従業員の職場体験に影響を与える25のキードライバーを取り上げている。
EX25は、従業員エクスペリエンス管理「Qualtrics EmployeeXM」に組み込まれ、企業が従業員の進化するニーズや優先事項に対応し、従業員のエンゲージメントと定着率を向上させるアクションを検討や実行するのに役立つ。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、働き方そのものを大きく変化させ、多くの従業員が自らの優先事項や期待を見直しているとクアルトリクスは述べる。米国の就労者の約半数(44%)が2022年中に就職活動を予定しているとの調査結果もあるという。
従業員の退職率を抑制し、優れた人材を惹きつけるためには、従業員のニーズや優先事項の変化を考慮し、従業員エクスペリエンスに対するアプローチを調整しなければならない。それには、従業員の感情やエンゲージメントを従来のように年単位で測定するだけでは不十分で、従業員からのフィードバックを収集して課題に対応する頻度を高める必要がある。
「従業員は、自分の意見が伝わっているのかを知りたがっている。EX25は、科学的根拠に基づいた方法論に裏付けされており、従業員にどのような質問をいつすればいいのか、また、従業員の職場での体験を気にかけていることを示すためにどのようなアクションを取るべきかといった疑問を解消する」とQualtricsの最高製品責任者(CPO)Jay Choi氏は述べる。
クアルトリクスの組織心理学の専門チームにより、ワークライフバランスや協力体制といった従業員の職場での体験を左右する25のキードライバーが「エンゲージメント」「エクスペリエンスギャップ」「継続勤務意向」「インクルージョン」「ウェルビーイング」といった従業員体験の5つの重要指標(KPI)に関連づけて特定されている。
EX25は、従業員の体験を測定するための標準的なフレームワークとして、従業員が仕事で充実感を得られるようにし、企業が優秀な人材を採用するために多くの情報に基づいて意思決定をすることを可能にする。また、カスタマイズにより、従業員にフィードバックを求める頻度の調整ができる。
EX25には以下の内容が含まれる。
- 企業が従業員に適切なタイミングでパルス調査を実施し、年間を通してのフィードバックに基づいてアクションを取ることを可能にするプログラム設計ガイド
- 従業員エクスペリエンスのKPIとそれを左右するドライバーによって構成される、科学的に検証された設問項目
- 組織単位でエンゲージメントに対する最重要ドライバーを把握し、改善課題に対してアクションを取るために、マネージャーやリーダーに対して調査結果を表示するダッシュボードのテンプレート
- 自社の従業員エクスペリエンスを他社と比較するためのベンチマークデータ
- マネージャーが各ドライバーを効果的に改善するのに役立つ、専門チームが設計したアクションプランヒント集
EX25の利用可能時期について、日本企業での利用がすでに開始されているとクアルトリクスは述べている。
EX25フレームワーク(出典:クアルトリクス)