NTTデータは9月16日、ソフトウェア開発などを通じて二酸化炭素の排出削減に取り組む「Green Software Foundation」にSteering Member(運営メンバー)として参画したことを発表した。アジアの企業では初めてになる。
Green Software Foundationは、5月にMicrosoftやGitHub、Accenture、ThoughtWorksが設立したThe Linux Foundation配下の非営利団体。9月時点のSteering Memberは、設立に携わった4社とGlobant、NTTデータの計6社になる。
二酸化炭素の排出が気候変動の大きな要因の一つとされ、排出量の削減あるいは実質ゼロ(カーボンニュートラル)に向けたさまざまな取り組みが世界中に広がる。ITでは、サーバーなどのハードウェア機器の省電力化や、データセンターにおける電力消費の削減あるいは再生可能エネルギーへの調達電力の変更などが主な取り組みになっている。
こうした動きに加えてGreen Software Foundationは、ソフトウェアがITシステム全体の二酸化炭素の排出にどのように、どの程度影響しているのかといった可視化とその方法、目標削減量などの指標の策定、排出削減に貢献するソフトウェア開発のベストプラクティスなどについて検討や議論、業界への成果の反映に取り組み、ユーザーを含めた業界全体の普及・啓発活動を推進していく。
NTTデータは、2050年にカーボンニュートラルの実現を目指すとする「NTT DATA Carbon-neutral Vision 2050」を策定しており、Green Software Foundationへの参画はその一環になる。ソフトウェアおよびシステム開発での二酸化炭素の排出削減のために、ワーキンググループへの情報提供などにも取り組む。
「排出量削減の努力が適切に反映される基準作りを進めることでソフトウェアのグリーン化に関する世界標準の策定を充実化できると考えている。団体の啓蒙活動も積極的に行い、これらを通じて団体の取り組みをグローバルレベルでけん引する」(同社コメント)とし、成果を顧客環境での運用時環境負荷低減や社会インフラへの適用につなげたいとした。
ソフトウェアによる二酸化炭素の排出削減としては、例えば、最小のディスクアクセスで正確な処理を実行できるシンプルかつ再現性の高いコードなど、ソフトウェア品質向上の観点での取り組みや成果を応用できるほか、IaaSでは省電力設計プロセッサーを採用したインスタンスメニューなども広がり始めており、ソフトウェアには、ハードウェアの節電能力を最大限に引き出す役割も期待される。