Dreamforce

Slack、「クリップ」機能を発表--セールスフォースとの統合強化も

Stephanie Condon (ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2021-09-22 16:46

 Slackは米国時間9月21日、同僚とのコミュニケーションやコラボレーションを非同期に行うためのツールである「クリップ」機能を発表した。この機能を使えば、Slackのチャネルやダイレクトメッセージで、音声や動画、画面記録などを録画、録音したクリップを簡単に作成して共有することができる。受け取った側は、自分に都合が良い時間にメッセージを見て、返信を返すことができる。

Salesforce Slack
提供:Salesforce

 Salesforceが開催中の「Dreamforce」で発表されたクリップ機能は、Slackが進めている「デジタルの職場(Digital HQ)」を作るためのツールを充実させる取り組みの一環だ。この取り組みの中で、Salesforce傘下となったSlackは、Salesforceのツール全体でより全面的に統合されつつあるようだ。

 クリップ機能は、Slackが掲げている、絶え間ない会議やビデオ会議に終止符を打つという目標を実現するための一手でもある。「Zoom疲れ」のような概念が広く認識されるようになったことを受け、非同期コラボレーションツールの導入は、ほかのコミュニケーションプラットフォーム(Ciscoの「Webex」やZoom自体を含めて)でも進んでいる。

 Slackのクリップ機能は、音声や動画のクリップを録画してチャネルで共有できる機能だ。受け取る側は、コンテンツをスロー再生したり、高速再生したりすることができるほか、リアルタイムで字幕を表示したり、文字起こしテキストを開いて、内容の重要な部分に飛んだりすることも可能だ。テキスト、音声、動画で返信することもできる。また、「Slackコネクト」を使って外部のパートナーにクリップを送信することも可能だ。Slackで作成した録画コンテンツは、文字起こしテキスト付きでアーカイブされ、検索することもできる。

 Salesforceはこれまで、Slackを「デジタルな職場」の中心に据える取り組みの一環として、Slackを「Customer 360」のあらゆる部分に組み込んできた

 同社はこの日、Slackを同社の製品に統合する新たな取り組みとして、「Commerce」「Experience」「Platform」「Trailhead」「MuleSoft」「Quip」などの製品にSlackを統合したことを明らかにした。また、さまざまな業界向けのクラウドや製品にもSlackを統合した機能も発表した。今回発表されたものは、サステイナビリティ、銀行、医療・ライフサイエンス、フィランソロピー、NPO、教育機関などさまざまな業界向けのサービスだ。これらの統合機能には、いずれも「Slack-First」いうブランドが与えられている。

 またSlackは、Slackコネクトの機能強化を発表した。Slackコネクトは、企業が外部組織を招き入れて安全にリアルタイムコラボレーションを行うための環境だ。「Enterprise Grid」の顧客は今秋以降、相手がSlackの顧客でなくてもSlackコネクトに招き入れることが可能になる。

 Slackは、公共部門向けに安全なコラボ―レーションを行うための環境を提供する「GovSlack」も発表した。これは、政府が認定したクラウド環境で動作するバージョンのSlackで、「FedRAMP High」認証や「DoD IL4」認証などの、米政府の最高レベルのセキュリティと運用要件に準拠している。

この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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