Dell Technologiesは米国時間9月27日、従来からある古典的インフラで量子アプリケーションを実行できるようにするハイブリッドエミュレーションプラットフォームをテストしていることを明らかにした。
Dellの最高技術責任者(CTO)John Roese氏はブログ記事で、このプラットフォームは「Dell EMC PowerEdge R740xd」と、IBMが開発した量子コンピューター向けのオープンソースのコンテナーサービス「Qiskit Runtime」を利用すると説明している。
Roese氏は、テクノロジーチームが量子コンピューティングの将来的な業務利用を模索する中、シミュレーターやエミュレーターが必要になると述べている。Dellは、量子コンピューターが古典的なコンピューティングすべてを置き換えることはないと考えている。また、量子コンピューティングと古典的コンピューティングの双方がクラウド経由でアクセスされるようになる可能性があると同氏は言う。
開発者は、このハイブリッドエミュレーションプラットフォームを利用し、アプリケーションやアルゴリズム、その他のユースケースを評価できるようになる。Dell Technologiesのハイブリッドエミュレーションプラットフォームの詳細はGitHubで公開されている。
主なポイントは以下の通りだ。
- このハイブリッドエミュレーションプラットフォームは、「Kubernetes」といったクラウドネイティブなプラットフォームで、古典的な処理と量子的な処理の両方を実行する。開発者はこれまで、クラウド経由でデータやワークロードの処理をサブミットする必要があった。
- それぞれの量子回路を個別に実行して結果を待つ必要がなくなる。古典的なコンポーネントのアルゴリズムは量子リソースと緊密に統合され、パフォーマンスの向上や開発時間の短縮を実現する。
- データ処理、最適化、アルゴリズムの実行を含む古典的なコンピュテーションをオンプレミスで実行可能になり、より高度なセキュリティとプライバシーを実現する。
- このハイブリッドアプローチにより、開発者はコスト面で最適化するための選択肢が得られる。
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。