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富士通、複雑な航路の船舶衝突リスクをAIで高精度に予測

NO BUDGET

2021-09-29 16:43

 富士通は、国内で初めて湾内などの複雑な航路を含む海域における船舶同士の衝突リスクを高精度に予測するAI(人工知能)技術を確立した。さらに2020年11月から2021年9月まで、海上保安庁の海上交通管制業務へ同技術を適用した実証実験を共同で行い、その有効性を確認した。

 この技術は、船舶の現在位置やスピード、向きなどのデータを学習したAIによって算出される従来の衝突リスク予測に、航行中の船舶が航路に沿っている度合いを算出する新たなアルゴリズムを加え、衝突リスクをより高精度に予測する。

 これにより、航路に沿った進路変更などを危険な操舵と検知することなく、船舶の衝突リスクが高いアラートのみを検知可能にした。

 実証実験では、特にアラートが多発する屈曲部を含む航路全体において、本来検出不要である過剰なアラートを約90%抑制できた。

衝突リスク予測の従来比較イメージ
衝突リスク予測の従来比較イメージ

 従来技術では、航路の屈曲部付近における2隻の船舶が現在の針路のまま直進すると判断され、衝突リスクが高いと過剰検知されていた。しかしこうした状況であっても、今回開発したアルゴリズムを活用することにより、2隻が規定された航路に沿って曲線的に航行することを見据え、衝突リスクは低いと判定することができる。これにより、不要なアラートを低減し、高精度に船舶同士の衝突危険度を判定できるようになる。

衝突リスク予測の画面比較イメージ
衝突リスク予測の画面比較イメージ

 海上保安庁の協力を受け実施した実証実験では、従来技術では過剰検出されていたアラートを約90%抑制できたことを確認するとともに、運用管制官が船舶に対する情報提供などを行った業務記録および運用管制官へのヒアリング内容と、今回確立した技術によって検出したアラートの突き合わせ分析を行った。

 その結果、運用管制官が船舶に対し警告や勧告を出した危険度の高い事象のうち、約95%に対して正しく高リスクと判定し、同技術が運用管制官の判断に近く、業務支援として有用であることが確認できた。

 富士通は今後、この技術を適用し、2022年3月までに船舶の航路屈曲部においても衝突リスクを高精度に検知する安全航行支援サービスの提供を目指す。また同社は新たに船舶サイズや船種などの特徴や過去の航行実績データをビッグデータ解析することで、船舶が航路に沿っているかどうかを定量評価するアルゴリズムを開発中で、この技術を搭載したサービスも2023年9月までの提供を目指す。

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