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キヤノンITS、大学向けデータ可視化環境を構築--散在するデータを集約

ZDNet Japan Staff

2021-10-01 16:30

 キヤノンITソリューションズ(キヤノンITS)は教育機関向けの「in Campus」シリーズの新サービスとして「in Campus IR」を11月下旬から提供する。9月22日に発表した。

 in Campus IRの「IR」は「Institutional Research」の略。IRは、大学の経営改善のほか学生支援や教育の質的向上などを目的に学内に散在するデータを収集して分析して、改善施策を立案して実行、その成果を検証するという取り組み。北米の大学のほとんどに設置されているといわれている。

 文部科学省の2014年発表の調査で日本国内でも全学的に専門で担当する部署を設置する大学が増加傾向にあるとされ、各大学の取り組みが活発すると見込まれている。

 ただ、日本の大学の場合、部署ごとに異なる業務システムが稼働しているという課題が指摘されている。教務関連や学修成果は教務部門、就職関連はキャリア支援部門、留学生は留学支援部門、学生の問い合わせ窓口は学生支援部門など業務システムに格納されているデータは部門ごとに管理されている。

 現在の大学では、教員が授業を改善するための組織的な取り組みである「Faculty Development」(FD)が進められているが、授業を評価するアンケート、その集計の業務負荷が高いと指摘されている。FDのためのアンケート集計とフィードバックは学科や学部の各単位でそれぞれ実施されていることも課題といわれている。学科や学部のFD関連情報はIR担当部門で分析され、経営層に報告されるようになっている。

 全学的なIRでは、経年変化を見るためのデータも不足していると指摘されている。また、データ全体を別の角度や視点で分析を深めようとするとデータの収集や仕分けが必要なことも課題となっている。点検や分析基準の検討が不足しているために、仮説と検証が十分にできていないことも課題と指摘されている。

 教育の質を保証するために従来の座学に加えて、実習や実験、グループワークなど授業が多様化しているが、その評価の方法や基準も変化している。また、学生ごとの細やかなフィードバックも求められるようになっており、それとともに最適な教材や指導に対するニーズも拡大している。加えてコロナ禍の影響から、対面が前提となっていた授業がオンライン化されることで授業の運営も複雑となっている。

 キヤノンITSはこうした背景からin Campus IRが必要と判断。教育の質を継続的に保証するための仕組みとしてデータの活用を教学マネジメントに組み込むものとしてin Campus IRを提供するに至ったと解説する。

 in Campus IRでは、シンクベース(大阪市淀川区)と協業する。シンクベースは、学校法人向けIRを支援する活動の一環として大学に特化したデータ分析を10年手掛けてきており、社内にデータサイエンティストを抱えている。加えて、企業でのウェブマーケティングやデータ分析などの実績やノウハウも蓄積している。東名阪に文教向け営業部隊があり、東阪に文教向けの開発部隊があるキヤノンITSと協業することは補完関係を構築できる。

 キヤノンITSは、明治大学の教育支援情報システム「Oh-o! Meiji」を2013年4月に提供、同システムをベースにしたin Campusシリーズを2014年7月から提供を開始。同シリーズは、学内情報発信の窓口となる「ポータル」、授業で利用できる「学習管理システム」(Learning Management System:LMS)、学生ごとに学修の成果を蓄積できる「ポートフォリオ」など大学教育に必要とされる機能を提供している。

in Campusシリーズの全体像(出典:キヤノンITS) in Campusシリーズの全体像(出典:キヤノンITS)
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 11月下旬から提供予定のin Campus IRでは、データの蓄積、分析、可視化ができるようにしている。in Campus IRは、基本導入サービスのほかにデータ連携、ダッシュボード改修・追加、業務支援・コンサルティングといったオプションサービスも提供する。

 基本導入サービスでは、データベース(DB)構築と標準ダッシュボード、クライアント環境構築を利用できる。DB構築では、学内の教務や学務、入試、就職など現在稼働している部門の各システムのデータで統合DBを構築する。統合DBにあるデータは、3つある標準ダッシュボードで閲覧できる。

 標準ダッシュボードは、入学志望者を切り口にした「入試情報ダッシュボード」、在校生を切り口にした「教務情報ダッシュボード」、就職活動中の在校生を切り口にした「就職情報ダッシュボード」を用意。それぞれの標準ダッシュボードはビジネスインテリジェンス(BI)ツール「Tableau Desktop」でクライアント環境を構築する。

 システム環境全体はオンプレミスとパブリッククラウドの両方に構築できる。初期導入価格は500万円から。

in Campus IRの全体イメージ(出典:キヤノンITS) in Campus IRの全体イメージ(出典:キヤノンITS)
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