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第2回:リモートワークが「個を解放する」--自由で自律した働き方へ

齊藤直子(カオナビHRテクノロジー総研 研究員)

2021-10-14 07:00

はじめに

 本連載は、コロナ禍で注目が集まったHR(人材)トピックスを取り上げ、働く現場の変化を捉えることで、読者の皆さんの業務やキャリア形成に生かせる見通しを提供することを目指しています。今回と次回は「リモートワーク」をトピックに取り上げます。今回の記事では、リモートワークの現状とメリットに焦点を当てて解説します。そして、リモートワークのような新しい働き方の選択肢が生まれる背景にはどのようなトレンドがあるのか、そのトレンドは働く個人に何を求めるようになるのかを考察します。

リモートワークはコロナ禍でどの程度浸透したのか

 第1回の記事で「リモートワーク」がコロナ禍において注目されたと言及しましたが、実際にどの程度の人がリモートワークを経験したのでしょうか。

 カオナビHRテクノロジー総研の調査では、2020年5月/8月/12月/2021年1月時点のリモートワークの実施率を計測しています(図1)。部分的なものを含めると、全国のリモートワーク実施率は2020年5月の第1回目の緊急事態宣言時に約35%と最も高く、その後は20%前半で推移していると分かります。

 この実施率を聞いた際に違和感を持つ方もいるかもしれません。「私の周りは、ほとんどリモートワークをしている」という方、あるいは逆に「私の周りでリモートワークをしている人はこんなにいない」という方、どちらもいるかと思います。その感覚はもっともで、リモートワークは実は非常に限定的な範囲で実施されているのです。

(出典:カオナビHRテクノロジー総研) (出典:カオナビHRテクノロジー総研)
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リモートワークの実施は「局所的」

 例えば、勤務地域別のリモートワーク実施率は図2の通りです。圧倒的に、首都圏(東京、埼玉、千葉、神奈川)のリモートワーク実施率が高いと分かります。図2は2021年1月時点の数値ですが、2020年5月や8月の調査でも「首都圏が圧倒的に高い」という事実に変わりはありませんでした。勤務地域以外にも、例えば従業員数が多い大企業の方が、職種でいうとオフィス勤務の方が、業種でいうと圧倒的にIT/インターネット業界の実施率が高いという傾向が、カオナビHRテクノロジー総研の調査で判明しています。

 一時期、企業がリモートワークや在宅勤務を恒久化、あるいは全面導入したといったニュースが多く報道されていました。コロナ禍でリモートワークが以前よりは普及しましたが、大きな注目の割には実態として拡大したわけではなく、リモートワークは非常に局所的な現象なのです。

(出典:カオナビHRテクノロジー総研) (出典:カオナビHRテクノロジー総研)
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それではリモートワークは「一過性」なのか

 では、リモートワークは局所的なのでコロナ禍が終わればなくなる、と結論付けられるでしょうか。この点については「ノー」と言えそうです。図3は、リモートワーク中心の働き方をしている人が所属する組織の「リモートワーク継続方針」について聞いた結果です。

 2020年8月時点の調査結果のため、「不明」という回答が15%程度占めていますが、「出社に戻る」という回答は13.3%で、その他約7割の組織では何らかの形でリモートワークを継続するようです。

(出典:カオナビHRテクノロジー総研) (出典:カオナビHRテクノロジー総研)
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 リモートワーク中の個人は、組織以上にリモートワークの継続を希望しています(図4)。多くの人は、全面的にリモートワークになってほしいというよりは、リモートワークをベースに出社ができる、あるいは出社とリモートワークが選択できることを望んでいるようです。

 リモートワークを導入している組織側も継続の意思をある程度示している状況なので、実施範囲は限定的ではあるものの、一過性ではないと結論付けることができそうです。

(出典:カオナビHRテクノロジー総研) (出典:カオナビHRテクノロジー総研)
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