米ゴルフスクール、AIによる骨格推定でスイング解析--器具なしで測定可能に

大場みのり (編集部)

2021-10-06 10:38

 米国に本社を置く総合ゴルフレッスンスクール「GOLFTEC」は、スイング映像から人工知能(AI)で受講者の骨格情報を推定し、瞬時に3Dでモデリングする動画解析技術「OptiMotion(オプティモーション)」を開発した。同技術は、国内に12店舗展開している「GOLFTEC by GDO」のレッスンでも利用できる。同スクールを運営するゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)が10月5日に発表した。

 これまで受講者は精密なスイング測定のためにベルト式のハーネスなどを装着する必要があったが、実際のプレーには不要でスイングの再現性を損なっていたという。今回、OptiMotionを導入したことで、測定補助装置を付けることなく測定精度を担保することが可能となった。快適なレッスン環境の提供のほか、コロナ禍における接触感染のリスクも低減できるとしている。

OptiMotionの画面イメージ(出典:GDO)
OptiMotionの画面イメージ(出典:GDO)

 OptiMotionは、GOLFTECのレッスンシステム「TS64」と連携し、スイング中の体の動き(スイングモーション)を数値化する。レッスンでは、約2カ月の初期研修を修了した認定コーチが、スイングモーションのデータ、GOLFTEC独自のスイング統計情報「SWING TRU(スイングトゥルー)」 、弾道計測器のデータの3つに基づいて受講者にスイングの解析結果を解説する。

 レッスンでは、GOLFTECが開発したカメラ2台による正面と側面の映像から関節を測定する。映像解析技術で受講者の関節位置の動きを測定するため、体格や性別の違いで誤差が生じることがなくなったという。これにより、ハーネス装着時以上に精度の高い測定が可能になったとしている。

 同技術では、米Uplift Labsの3D骨格推定技術をベースに、ゴルフスイング特有の動きをAIに学習させ、GOLFTEC独自の骨格推定プログラムをシステム化している。SWING TRUへの適合性向上では、デンバー大学と連携したという。

 これまでGOLFTECのレッスンでは、スイング測定にハーネスの装着が不可欠だったため、受講場所がスタジオに限られていたが、OptiMotionにより今後は場所に関係なくレッスンを受けられると期待される。その実現に向けて、同社はさらなるソリューションの開発を進める予定だという。

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