UiPathは10月13日、人工知能(AI)ツール「UiPath AI Center」を活用してmedibaが運営するポータルサイトの業務改善を支援したと発表した。
medibaはKDDIのグループ企業として、モバイルメディアの企画・開発・運用やインターネット広告などに関するBPO(ビジネスプロセスアウトソーシング)サービスなどを展開している。
auのユーザー向けポータルサイト「au Webポータル」の運営も行っており、検索エンジンに入力されたキーワードのランキングを掲載・更新している。毎回の更新に先立って、各キーワードが公序良俗などの観点で問題ないかといったチェック業務を24時間体制で行っており、担当者の負担が課題となっていた。
medibaは2020年から、UiPathのRPA(ロボティックプロセスオートメーション)製品を利用していたほか、AIの専門知識がなくても使えることや、訓練済みのモデルが用意されていて短期間で運用開始できることなど、導入のハードルが低い点を評価してAI Centerを導入した。RPAの利用をサポートする「UiPath Action Center」により、単一の画面上で入力から結果出力までを完結できる点もポイントだったという。同社は2021年5月にAI Centerを導入し、2カ月後の7月には、本番業務に即したテスト運用を開始することができた。
medibaでは従来、ランキング上位として抽出された各キーワードを「Google」で検索してその内容や関連画像を確認し、ランキング情報への掲載適否を判断するという作業を、常時2人によるダブルチェック体制で行っていた。AI Centerの導入後は、このうち1人分の作業をAIが代替できるようになった。具体的には、AIが各キーワードの内容と関連画像を確認し、担当者1人が最終判断を下している。
その結果、作業時間が短縮したとともに、担当人員の数を半減できる基盤が整った。今後medibaはAIの判定精度を徐々に上げ、将来的には人が介在することなく、AI Centerのみでチェック業務を完結できる体制を目指している。従業員にはau Webポータルの価値向上に注力してもらうことで、競争力の強化につなげていく。