調査

デジタル技術によるビジネス変革に不可欠な要素とは--ガートナーが見解

NO BUDGET

2021-10-21 10:42

 ガートナージャパンは10月19日、デジタル技術を活用したビジネス変革において「トータルエクスペリエンス」と「コンポーサブルビジネス」が不可欠との見解を発表した。

 同社によれば、デジタル技術の普及や進展に伴い、今後はこれを活用した形で「エクスペリエンス」のような目に見えにくいものを付加価値として捉え、変化に柔軟に対応できる「コンポーザブル」な形式でそれを実装、提供していく方向性になるとしている。

 こうした新しいトレンドに基づいて成長するには、従業員や顧客のエクスペリエンスの全てをトータルで管理するトータルエクスペリエンス(TX)が不可欠になっているという。TXは「マルチエクスペリエンス」(MX)、「カスタマーエクスペリエンス」(CX)、「従業員エクスペリエンス」(EX)、「ユーザーエクスペリエンス」(UX)の4つのエクスペリエンスを相互に連携させる戦略をいう。

 そして、そこで生み出される付加価値は、ターゲットとなる顧客や関係者に適切なタイミングで効果的に提供されることが重要だという。そのためにはアジリティーを重視し、リアルタイムにスケールできるような考え方、アーキテクチャー、テクノロジーを備えたコンポーザブルビジネスを推進する必要があるという。

 コンポーザブルビジネスは、不確実性に直面したときに、リアルタイムに柔軟性と適応性、回復力を備えた組織を構築することができるという考えに基づくもので、「コンポーザブルシンキング」「コンポーザブルビジネスアーキテクチャー」「コンポーザブルテクノロジー」の3つの構成要素から成るという。

日本企業の過半数が競争が厳しくなっていると回答
日本企業の過半数が競争が厳しくなっていると回答(出典:ガートナー)

 こうした見解のもととなっているのは、同社が近年実施したさまざまな調査の結果で、グローバルの最高経営責任者(CEO)および上級ビジネス幹部を対象に2020年7〜12月に実施した「2021年CEOサーベイ」では、ビジネス上の最優先課題のトップに「成長」(56%)が挙げられ、次に「テクノロジ関連の変更」(36%)となっている。

 また2021年8月に実施した国内企業に勤める従業員および経営者に対して実施した調査では、自社と他社の競合環境について尋ねたところ、過半数(53.0%)の回答者が5年前と比べて厳しくなっていると回答している。一方で、優位になっていると回答した割合はわずか11.0%だった。

改善すべきは、従業員および顧客への対処と非効率な業務
改善すべきは、従業員および顧客への対処と非効率な業務(出典:ガートナー)

 同じく2021年8月の国内企業に対する調査で、5年後までの見通しを質問したところ、「今よりは発展している」と「今と同じ程度を維持している」との回答が合計で70%を超えていた。このことから、ガートナーでは、少なくとも今までにない新たな戦略的、計画的な取り組みが必要とされていることは間違いないとしている。

 一方、同じ調査でビジネスをさらに発展させるために重視すべきことについて尋ねたところ、上位3項目には「従業員の士気や満足度を高める」(41.8%)、「顧客満足度を高める」(33.5%)、「非効率な業務を廃止または改善する」(31.5%)が挙げられた。

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