大日本印刷(DNP)は、社内の「経費精算DX(デジタルトランスフォーメーション)」を加速させ、電子帳簿保存法に対応したペーパーレス化と業務効率化、ガバナンスの強化を推進する。プロジェクトはPwC Japanグループ(PwC Japan)が支援した。
立替経費精算に伴う領収書と請求書支払いによる経費精算においては、コンカーの経費精算システムを導入した。経理業務を担当するグループ会社には、経費精算内容の確認や承認などを行う部門を新設し、関連業務の集約による効率化を図った。
この新設部門は、業務フローの標準化を進め、経理業務の未経験者であっても十分にスペシャリストとして活躍できるよう、リスキリング(学び直し)の新たなモデルとなる予定だ。
さらに経費精算システムに蓄積されたデータを基に不適切・不正な経費申請を検知する仕組みを構築し、一層のガバナンスの強化を図る。
新組織に集約した経理業務のイメージ(出典:DNP、PwC Japan)
DNPでは経費精算システムに連携した法人カードの利用も促進している。従業員は、出張旅費・接待費等の業務関連の支払いを法人カードで行うことで、経費精算が容易になり、立替払いの負担も軽減される。会社側は、毎月決まった日に銀行から引き落とされることで、キャッシュフローの安定化を図る。
PwC Japanは今回、DNPの経費精算業務の現状と課題を詳細に整理し、従業員のテレワークや業務効率化の促進に向けた「経費精算DX」の構築と、経費精算業務の集約に向けた新たな体制の構築の支援を行った。また、経費精算データに基づくガバナンス強化に向けてルールづくりや業務設計を支援したほか、電子帳簿保存法への対応に向けて専門チームがスキャナー保存制度の適用にまつわる支援を行うなど、「経費精算DX」の実現に共同で取り組んだ。