日立ソリューションズは、「プロジェクト状況可視化システム」の販売を開始した。同システムは人工知能(AI)技術を活用し、文書やソースコードからプロジェクトの品質不良や工期遅延リスクを早期発見することで、手戻りの防止や業務効率の向上を支援する。
具体的には、自然言語処理AIによるプロジェクト計画書や仕様書、設計書の品質分析結果、ソースコードの不具合情報などの解析結果を組み合わせ、プロジェクト全体の品質を診断してスコアリングする。
日々のレポートでは、スコアリングと共に機能別や工程単位での品質や進ちょく状況、不具合発生の傾向、残存テスト項目なども可視化する。
プロジェクト管理者は、メンバーがリモートワークで分業するような状況においても、レポートから常に最新の進ちょく状況を把握し、問題を早期に発見できる。これにより手戻りを防止できるとともに、プロジェクトメンバーは日々、報告書の作成負荷を軽減することができる。
プロジェクトの品質のスコアリングでは、文書において日立ソリューションズが提供する「活文 知的情報マイニング」を活用し、文脈や言葉の意味を捉えて高精度な判定を行う。同サービスには、はGoogleが公開している自然言語処理に特化したAI技術「BERT」が適用されている。
ソースコードについては、同じく日立ソリューションズが提供する「ソフトウェア開発支援レコメンドシステム」を用いて解析し、注意すべきポイントを自動で抽出する。
レポート機能では、文書やソースコードのレビュー前に、レポートによる品質不良や不具合の指摘が担当者に随時フィードバックされる。これにより管理者のレビューや修正時間を短縮され、プロジェクト成果物の品質向上を実現する。
レポートイメージ(出典:日立ソリューションズ)
同システムでは、現在利用している既存のドキュメントや成果物をそのまま活用できる。例えば、Office文書やPDF、ソースコードのバージョン管理システム「Git」や「Apache Subversion(SVN)」で管理しているソースコード、プロジェクト管理ソフト「Redmine」などで管理している不具合情報をそのまま活用し、分析することが可能。