SAPは現地時間10月21日、2021年第3四半期決算(2021年7〜9月期)を発表するとともに、通年の事業見通しを上方修正した。
第3四半期の国際財務報告基準(IFRS)に基づく売上高は、前年同期比5%増の68億4000万ユーロ(固定通貨換算ベースで5%増)だった。1株あたり利益はIFRSベースで1.19ユーロ、非IFRSベースでは1.74ユーロだった。
同社は第2四半期に、IFRSベースの売上高が66億7000万ユーロ、1株当たり利益が1.15ユーロ(非IFRSベースでは1.75ユーロ)と報告していた。
第3四半期の営業利益は、IFRSベースで前年同期比15%減の12億5000万ユーロ(非IFRSベースで2%増の21億ユーロ)だった。営業利益率は0.9パーセンテージポイント低下して30.7%となった。営業キャッシュフローは49億5000万ユーロだった。
同社は営業利益の減少について、主に「Qualtrics」と関連した「株式ベースの報酬費用の増加」が原因だと説明している。
クラウドの売上高は、IFRSベースで前年同期比20%増の23億9000万ユーロ、固定通貨換算ベースでも20%増となった。第2四半期のIFRSベースのクラウドの売上高は、22億8000万ユーロだった。
「RISE with SAP」サービスの顧客数が、さらに300社増加した。ソフトウェアライセンスの売上高は、前年同期比8%減の6億6000万ユーロ(IFRSベースと非IFRSベース)で、固定通貨換算ベースで8%減少した。
「RISE with SAPサービスに対する旺盛な需要と導入が続いており、あらゆる規模の企業、とりわけ大企業が、ビジネス変革のために同サービスを採用している。この包括的なサブスクリプションサービスを導入する顧客が増えたことで、ソフトウェアライセンスの売上高が予想通り減少した」と同社は述べた。
クラウドおよびソフトウェアライセンスの全体的な売上高は、IFRSベースで前年同期比7%増の59億1000万ユーロ、固定通貨換算ベースで6%増加した。
「SAP S/4HANA」の導入顧客は第3四半期に500社増加した。顧客の総数は、前年同期比16%増の1万7500社以上となった。
クラウドのバックログは81億7000万ユーロで、売上高は固定通貨換算ベースで前年同期比22%増だった。S/4HANAクラウドの売上高は、前年同期比46%増の2億7600万ユーロ(固定通貨換算ベースでも46%増)で、バックログは60%増加した。
SAPが報告する3つの主要事業セグメントの1つである「Applications, Technology & Support」は、売上高が前年同期比5%増の57億6000万ユーロ、固定通貨換算ベースで5%増加した。
Qualtricsの売上高は、前年同期比38%増の2億3300万ユーロ、固定通貨換算ベースで39%増となった。
デジタルトランスフォーメーションとインテリジェンスのチームを含む「Services」部門は、売上高が前年同期比1%減の8億300万ユーロ(固定通貨換算ベースで1%減)だった。
また同社は、2021年通年の見通しを上方修正した。クラウドの売上高を、これまでの93億〜95億ユーロから、94億〜96億ユーロ(非IFRSベースの固定通貨換算ベース)に引き上げた。クラウドおよびソフトウェアの売上高は、238億〜242億ユーロ(非IFRSベースの固定通貨換算ベース)と見込んでいる。
SAPの最高財務責任者(CFO)Luka Mucic氏は、「今期はすべての主要な財務指標で素晴らしい業績を達成できた」とコメントした。「SAPの変革は、持続的で堅調な進展を見せている。当社のクラウド事業が加速的に成長しているため、通年の見通しを引き上げた」
この記事は海外Red Ventures発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。