米Splunkは、年次カンファレンス「.conf21」をオンラインで開催した。「データとアクションの障害を取り除く」として新機能を発表したほか、ワークロードベースの価格をSplunk Cloudの全顧客に拡大することも発表した。
データから成果を得られない理由
Splunkは、ログデータの収集と解析からスタートし、対象をシステムに関するさまざまなデータに拡大、さらにセキュリティやオブザーバビリティー(可観測性)などに広げてきた。最高経営責任者(CEO)兼プレジデントのDoug Merritt氏は、以前から、データを活用してシステム、ビジネスを支援する自社ユーザーを「データヒーロー」と呼び、称えてきた。Merritt氏によると、データヒーローの担当する領域は、いまや企業の取締役会レベルでの関心事になっているという。
Splunk 最高経営責任者のDoug Merritt氏
「前例のない時代に成果を求められている」とMerritt氏。セキュリティについては、2020年に約3000件のデータ侵害があり、360億件の記録が漏えいしたという。
Merritt氏によると、データから成果を得るに当たって共通した課題が3つある。1つ目は複雑性だ。オンプレミス、パブリックおよびプライベートクラウド、エッジなど、さまざまな場所にデータが存在することで複雑性が生じている。「クラウドは簡素化に寄与しているが、一方で、サービスは常に進化しており、複雑性はさらに増している」とMerritt氏。「自社のデータについて、エンドツーエンドでの視点を得られない」と続ける。
2つ目は分断になる。Merritt氏は、「データ関連の製品カテゴリーは16あり、350以上のベンダーのツールがある」とし、データが分断化、サイロ化されており、セキュリティと性能の両方で盲点になっていると指摘する。3つ目が規制だとした。
Splunkは、この3つの課題を解決することにフォーカスしているとし、Merritt氏は「データとアクションの間にある課題を解決する」と約束した。Splunkのデータプラットフォーム「Splunk Enterprise」は、複雑な環境において根本原因の分析を支援するものであり、インデックスと検索のアプローチにより、顧客側で面倒なデータ整備の作業を軽減する。
クラウドのトレンドに対しては、マルチあるいはハイブリッドクラウドが管理をさらに複雑にするという副作用に対し、オブザーバビリティーとセキュリティを強化し、これらを統合したデータプラットフォームを構築した。
Splunk Plartofrm。マルチクラウド、オンプレミスとさまざまなデータを収集、活用できる
「複雑性を管理して、テクノロジーとビジネスの両方で、エンドツーエンドの可視化が得られる。正しいタイミングで、適切なデータを使って意思決定を下すことができる」とMerritt氏は主張する。