アイ・ティ・アール(ITR)は、国内におけるデジタルアダプション基盤の市場規模について、これまでの推移と今後の予測を明らかにした。
デジタルアダプション基盤は、新たに活用を開始したビジネスアプリケーションやウェブシステムなどの利用の定着を支援する製品/サービスを指す。ビジネスアプリケーションやウェブシステムなどの活用状況の分析や操作上の問題点の洗い出しを行い、活用の定着を促すためのガイダンスやコンテンツの作成・配布などを行う機能が含まれる。
ユーザー視点では生産性の向上やヘルプデスク業務の削減などを、ベンダー視点では利用ユーザーやシステムの拡大、利用定着率の向上などを期待できる製品/サービスとして注目されている。
2019〜2025年度のデジタルアダプション基盤市場の推移と予測(出典:ITR)
2020年度の売上額は前年度から4倍の4億円となった。参入ベンダーの増加とともに急速に市場の認知度が高まっている。ITRでは、2021年度の売上額は同3倍に拡大すると見込んでいる。
また同市場の2020〜2025年度の年平均成長率(CAGR)は58.5%、2025年度の市場規模は2020年度の10倍となる40億円に達すると予測している。
ITRでは、同市場について、アプリケーションの導入効果を高めたいユーザー企業のほか、SaaSベンダーによるUI/UXの改善を目的とした導入も見込まれ、今後のニーズはさらに高まると予想している。