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トヨタ九州、走行車内の異音をAIで判断--熟練検査員の経験や判断を学習

ZDNet Japan Staff

2021-11-04 14:46

 トヨタ自動車九州は、高級車ブランド「レクサス」を生産するトヨタ九州宮田工場の検査ラインに人工知能(AI)を活用した異音検査システムを2021年8月に導入し、本稼働を開始した。今回のシステムは、製造業に特化したAIサービスを提供するスカイディスクと共同で開発した。異音検査のAI活用を品質検査分野で実装するのは国内初という。

 スカイディスクが開発した音に特化したAI分析ソリューションは、検査走行中の車内の音データを人の聴覚特性に基づいて分類し、抽出された約1万個以上の特徴量から異音を判定するAIモデルを作成する。レクサス完成車の検査項目の1つに、走行中に車内で異音がしないか最終確認する「車内異音検査」がある。この車内異音の検査工程に、AI異音検査システムを導入した。

 トヨタ九州宮田工場は、世界随一のレクサス製造拠点として各工程に熟練工を配し、世界トップレベルの品質を守り続けている。出荷前の検査項目である異音検査は、検査員の聴覚で「音」を聞き分ける官能検査であるため、個人の聴力に影響を受けやすい工程となっていた。将来予想される検査員の高齢化による聴力の衰えや個人差に対応するため、2018年1月にAI化の検討を開始した。

異音検査システムの概要(出典:スカイディスク)
異音検査システムの概要(出典:スカイディスク)

 AI分析ソリューションでは対象の音に合わせたマイク選定が重要になる。今回は新たに車内異音用に集音マイクを選定し、異音検査における音データをデータベース化した。データに基づいた安定した検査品質の実現のため、熟練検査員の経験や判断をAIに学習させて、検査精度を高めた。

 2018年4月に実際の工程でAI異音検査システムの検証を開始し、実運用に向けて繰り返し精度向上に取り組むとともに、システム構築を含めた最終調整を実施。検査精度が安定的に確保できたことから、2021年8月に本稼働を開始した。

 AI異音検査システムの開発/導入により、検査員の聴覚に依存していた検査工程の属人化を解消し、品質を安定化させた。また、検査作業者の耳の負担や凹凸のある検査路面を運転する際の身体的負担も低減することができた。高い検査品質が求められる最終検査工程であり、特に人の身体能力に依存し標準化が困難だった異音検査で導入できた実績を基に、今後は他の検査工程への展開も検討していく。

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